関東総合通信局、関東情報通信協力会主催の「平成16年度 電波の日・情報通信月間」記念式典は16年6月1日「電波の日」の午前11時から東京・大手町のパレスホテルで行われ、特定ラジオマイク利用者連盟をはじめ3個人、12団体が関東総合通信局長表彰、1個人が関東情報通信協力会長表彰を受けました。
式は松本純・総務大臣政務官挨拶にはじまり、小笠原倫明・総務省関東総合通信局長の式辞、斎藤清衛・関東情報通信協力会長(株式会社とちぎテレビ社長)挨拶、来賓として白戸章雄・千葉県副知事、千葉滋胤・千葉県商工会議所連合会長の式辞とつづき、政務官、局長とも「ニュージャパン計画を進め、ユビキタス時代の実現への取り組み」を述べ、「表彰者への努力に感謝しお祝い申し上げます」と結びました。
表彰では、特定ラジオマイク利用者連盟は「電波の日」関東総合通信局長表彰の個人の部(1人)につづく団体の部の4番目に呼ばれ、小笠原局長から表彰状が八幡理事長に手渡されると、450人の参列者から大きな拍手で祝福を受けました。
表彰状には、「あなたがたは高品質なA型ラジオマイクの使用の際に放送用地上無線中継装置との電波の干渉による障害混信を回避するため運用調整を行ない免許申請に係る支援・関係法令周知など電波利用秩序維持に多大な貢献をされました その功績は誠に大きいので電波の日に当たり表彰します」と功績が具体的に記されています。
特定ラジオマイク(A型ワイヤレスマイク)は平成元年11月制度化され、特定ラジオマイク利用者連盟は翌2年7月設立されました。先に制度化されたB型、C型が免許不要の特定小電力無線局だったのに対しA型は、電波の有効利用の面から放送局で使われている800MHz帯のFPU(放送用地上無線中継装置)の2,4ch(初めは4帯のみでしたが平成7年6月2帯が追加されました)を共用することになりました。このためマイク使用時にFPUとの干渉を防ぐため、互いに、事前に使用場所や時間を連絡し合い調整して使用するよう郵政省(当時)から要請され、生まれたのが特ラ連です。スタートはマイク対FPUの調整が主目的でしたが、現在では特ラ連会員と放送局で2万本近くの特定ラジオマイクが使われており、マイク対マイクの調整の方が主流となっています。特ラ連事務局には,一日150件を越える運用連絡が会員ならびに全国放送局から寄せられ、事務局から使用者に干渉の可能性を知らせる調整連絡も同数以上に上ります。
特ラ連発足当初は運用連絡数も少なく、各地域(総合通信局単位)別の台帳を作り、運用場所の住所、施設名、使用時間、使用本数、担当者名等を手書きの小さな字で記入。府県別の地図を頼りに干渉の可能性をチェックしていました。平成8年5月に旧制度のワイヤレスマイクとの併用期間が終了、現制度に全面移行以後、会員数と所持マイクは急激に増え、とても手書きでは追いつかなくなり、平成10年12月から全面的にコンピュータ処理に切り替え、現在はPC7台(予備機も含め)をサーバーを介してLANシステムを構成して処理しています。運用調整を始めて15年近くなりますが、幸い大きなトラブルなく、ここまできましたことに多少の自負を持つとともに、会員、放送局など関係の皆さまのご理解とご協力のたまものと感謝しております。
「マイクに無線局の免許が必要」ということで、最初は戸惑いがありました。特ラ連に加入する会員のほとんどは「電波法」「無線局の免許」など知らない人ばかり。免許の申請から取得までの支援、お手伝いも大きな仕事の一つになりました。この作業を円滑に行うためには申請窓口である各地方の総合通信局との接触、交渉が欠かせません。とくに関東地域の会員数は316で全国の48%強、所有するA型ワイヤレスマイクは4,781本で全国の60%(いずれも平成16年3月31日現在)を占めます。事務局が東京ということもありますが、関東総合通信局との接触は自然多くなり、担当者は週1,2回は書類提出や連絡折衝に通います。担当係官のみなさんには歴代お世話になっており、こちらからも日頃のご指導のお礼を申しあげなければなりません。
「日本国内では日本の電波法に基づいたワイヤレスマイク、イヤーモニターしか使用できません」特ラ連のパンフレットの一面に大きく謳っています。限りある電波を有効使用するためには、使用者全員が、まずルールを守ることだと思います。「免許を取得する」「運用連絡をして互いの干渉を防ぐ」この二つは特定ラジオマイクについての基本的ルールです。「ルールを守って、クリアーな運用」は特ラ連の常に変わらないテーマです。平成11年からラジオマイクの高度化のための技術的条件を策定するさいには電気通信技術審議会小電力無線設備委員会ラジオマイク分科会に参加、そこからイヤーモニターが生まれました。またその時期から電波産業会(ARIB)に加入して技術基準作成にユーザーの立場で意見を述べ、現在はデジタル化の審議に参加しています。また、平成14年からは情報通信月間推進協議会にも参加、毎年、独自の参加行事を実施しています。
今回の表彰は、これらの活動を総合評価いただいたものと思います。これを機にさらに努力をしてまいりますので、皆様の一層のご指導、ご支援、ご協力をお願い申しあげます。
最後に今回、共に受賞した方々(業績・敬称は略)をご紹介します。
「電波の日」関東総合通信局長表彰 |
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個人 |
川崎忠(社団法人全国船舶無線工事協会・前関東支部長) |
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団体 |
茨城県警察本部生活安全部自動車警ら隊(隊長 川亦正和) |
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社団法人関東自動車無線協会(会長 新倉尚文) |
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東京電力株式会社(代表取締役社長 勝俣恒久) |
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東日本電信電話株式会社(代表取締役社長 三浦惺) |
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山梨県総務部消防防災課(課長 石井俊彦) |
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「情報通信月間」関東総合通信局長表彰 |
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個人 |
滝沢光樹(株式会社インテック 常務取締役技術本部長) |
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林英輔(麗澤大学 情報システムセンター長) |
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団体 |
電気通信に関する工事担当者認定校連絡会(会長 和泉勲) |
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七会村(村長 阿久津藤男) |
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特定非営利活動法人南房総IT推進協議会(理事長 伏原芳安) |
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「電波の日・情報通信月間」関東情報通信協力会会長表彰
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個人 |
早野俊一(財団法人日本無線協会 養成課程講師) |
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