『一瞬の時を』
 このたびは学生部門努力賞を頂き大変嬉しく思います。
 今回賞を頂いた「一瞬の時を」は、高校時代、お互いに恋心を抱いていた男女が大人になり再開するというストーリーです。その中に、ホテルの一室で写真撮影中二人とも黙ってしまうというシーンがありました。ホテルでは普通、部屋の外のノイズは聞こえませんが、あえてクラクションやサイレンを小さく入れることで静寂を際立たさせることができました。
 大学では現場録音からの作業を実践的に学ぶことで、ひとつの映画作品における音作りの大変さを感じています。そしてミックス作業での音の構成では、どうすれば音に厚みをつけられるのか、どうすれば観る人をその作品空間に引き込めるか考えるのが楽しく、毎日「音」の面白さを感じています。
 今年は4年生の卒業制作としての作品づくりが始まり、海岸での撮影やロングショットの多さに頭を抱えていた中、今回の受賞は大きな励みになりました。ありがとうございました

日本大学 藝術学部
映画学科 撮影・録音コース 4年
押田 崇