ちょっとブレイク

 前回は高尾山でしたので、少し都心に近づき八王子の話しです。
しかも、八王子駅南口の極端に私ごとの酒場と酒の話しで、・・・恐縮です。
 私の会社は八王子駅南口から10分足らずのところにあります。
 賑やかな北口と違い、南口の再開発が行われるまでは、至って平和な(寂れた、侘しい)所でした。今や、サザンスカイタワー八王子などと云う41階建ての超高層マンションが建ち、駅前ロータリーも整備され、数年前とは別物です。ただ、これも、駅前の、僅かなエリアだけ。ほんの少し離れると、なにせ平和です。
 夜ともなると、北口と南口の差が際立ちます。
 八王子は飲食店数では都内一だと聞いた事がありますが、そのほとんどが北口に集中しています。客引きの黒服のお兄さん達から、うるさいぐらい、声をかけられ、メニューを持ったお姉さん達が列を作ります。
 他方、南口は、駅前の一画だけ、明るい照明が、家路を急ぐ昇降客を照らすのみです。
そんななかで細々と、では無く、たくましくやっている、馴染みのバーを紹介します。
バーと云っても、ホテルのメインバーの様な処を思い浮かべてもらっては困ります。
 Wikipediaによると、バー(英:bar)とは酒場、飲酒店のことである、日本で「バー」という看板が掲げられる場合、カウンターでカクテル、水割りなど酒を中心に出す店を指すことが多い、とあります。そんな、酒場です。
 まずは、
『B-RIVER』
真新しい超高層ビルを横目に見て線路に沿って西に行くと、こじんまりした店が、ぽつぽつ。41階建てから少しの距離。この界隈も再開発以前には10軒程度の飲食店があったのですが、今は半分程度。そんな少し寂れた辺りに店があります。
 この近辺出身のやんちゃな二人組の共同経営、十年以上続けていて、なかなか遣り手、北口にも何店舗か持っています。そのうちのひとり、金髪のいたずら好きな、40代のお兄さんがカウンターの中に立っています。営業時間は17時から客が居なくなるまで。年中無休。常連さん達は曲者ばかりですが、初めてのお客さんには、やさしいのでご心配なく。
 ここでの、ボトルは、ワイルドターキー 8年(50.5度)。
 オースティン・ニコルズ社が製造するバーボン・ウイスキーの銘柄です。ケンタッキー州ローレンスバーグで製造。素材となる穀物の構成比率(マッシュビル)のレシピは公開されていないとの事。雑味とアルコール濃度があいまって、いかにも酔う為の酒です。12年も善いのですが、善い酒に成り過ぎの感があります。私にとってはバーボンと言えば、これです。この酒とは、30年以上の付き合いです。主に、こればかり、飲んで来た様に思います。でも、このところ、二日酔いが酷くなってきました。年齢のせいでしょうね。
 そんなこんなで出会ったのが、アイリッシュ・ウイスキー。で、もう一軒、次の店に行きましょう。
『AZITO-BAR』
 駅前から斜めにのびる野猿街道沿いにあります。駅から徒歩5分程度です。
 築90年の古民家を改装。昔、大道具をやっていたと云うマスターの、すべて手作りの店。
開業から2年程度。隣には、『boogaloo cafe』、こちらは十年選手です。
 営業時間は19時頃からマスターの気力が持つまで。気力が萎えて店を開けていない事も、たまにあったり。マスター自身の気に入りの音楽だけを流しています。ジャンルは、その日の気分です。そして、ここも常連さん達が、おもしろい。でも、恐くはありませんよ。
 そして、此処では、ブラックブッシュ(40.0度)
蒸留所は、ブッシュミルズ。アントリム州、アイルランド島の北アイルランドにあるイギリスの州、に在り、世界最古のウイスキー蒸留所です。
 ロロソシェリーの古樽で8年間熟成されたシングルモルトウイスキーに、香り高い少容量生産のグレーンウイスキーをブレンド。円熟した風味の中に重厚なコクの甘いシェリーの香りが特長です。ハードなロックに疲れてきた方にオススメです。

八王子で飲む機会がありましたら、是非、探し出して立ち寄ってみて下さい。

編集委員 高山 浩明
(株式会社 フォノフ)