Q1 プラチナバンドでの運用を開始したとのソフトバンクのCMを見かけました。現行の特定ラジオマイクの周波数帯もプラチナバンドということですが、私たちが現行の特定ラジオマイクを使っていると、突然、携帯電話の電波が混信してくることがあるのでしょうか?
A1 ソフトバンクによって2012年7月25日から運用を開始された“プラチナバンド”は、現行の特定ラジオマイクより高い周波数帯(900MHz帯)です。よって、現行の特定ラジオマイクとは異なる周波数帯なので、携帯電話の電波と混信することはまずありません。
Q2 本当に現行の特定ラジオマイクは使えなくなってしまうのでしょうか? 所有しているマイク機器はとても古いものですが、まったくの新品と交換できるのでしょうか?
A2 現行の特定ラジオマイクは、2019年3月31日をもって一切使用できなくなります。また、免許人(=ユーザー)と認定開設者(=携帯電話事業者)との協議で合意があった場合、さらに使用期限が早まることもあります。
 周波数帯移行に必要な費用は認定開設者が補償しますが、手持ちのマイク機器が古くとも、新周波数帯に対応した新しいマイク機器に交換、もしくは購入費用が補償されます。
Q3 現行の特定ラジオマイク機器が古くなったので、現行周波数の新しい機器に更新したいと考えています。このタイミングで現行周波数の機器に更新してもよいのでしょうか?
A3 現行周波数に対応した特定ラジオマイク機器への設備更新(機器の入れ替え)は、2019年3月31日まで行うことができます。もちろん、それまでに更新された現行周波数の機器に関しては、新周波数対応機器への更新費用を補償されます。つまり、古い機器を使い続けても、新しい機器に更新しても、新周波数対応の新しい機器へ交換もしくは購入費用が補償されるというわけです。
Q4 免許不要のB型ラジオマイクの周波数は、現行の特定ラジオマイクのすぐ隣にあります。今回の周波数帯移行は、B型ラジオマイクを含めて行うのでしょうか?
A4 今回の周波数帯移行に関して、B型ラジオマイクはその対象とはなっておりません。つまり、少なくともしばらくは現状のまま使い続けることができます。
Q5 特定ラジオマイクの周波数移行先として挙がっているホワイトスペース(470〜710MHz)は、2012年7月25日から使えると聞いています。いち早くホワイトスペースで特定ラジオマイクを使いたいのですが、現状、ホワイトスペースに対応した特定ラジオマイク機器が発売されていません。海外で売られている製品として470〜710MHzあたりの周波数をカバーするワイヤレスマイクがあるのですが、それを輸入して日本国内で使用することはできるのでしょうか?
A5 現状では難しいといえるでしょう。輸入したワイヤレスマイクが、日本国内の電波法に適合していることを証明する「技術基準適合証明」または「工事設計の認証」の取得の問題。また、どの地域や場所で、どの周波数がホワイトスペースとして使用できるかも決まっていません。運用調整の仕組みも、まだまだこれからです。 このように、実際にホワイトスペースで運用できるようになるまでには、超えなくてはいけないハードルが数多くあります。よって、輸入したワイヤレスマイクで、今すぐホワイトスペースを使用するというのは難しいといえるのです。

〜特ラ連事務局から周波数帯移行に関するご注意〜

 特定ラジオマイクの周波数帯移行にあたって、会員の皆様が所有している現行の特定ラジオマイク関連機器(送信機・受信設備など)は、新周波数に対応した機器に更新しなければなりません。これに係る費用は認定開設者(=携帯電話事業者)が補償することになっており、各会員と認定開設者との間で補償内容に関する協議が行われることになります。
 補償内容を協議するにあたっては、自己の所有する機器の現況を十分に把握しておく必要があるでしょう。送信機や受信機の台数、アンテナの本数、固定施設であればアンテナケーブルの配線状況等もしっかりと確認し、無線局免許状もきちんと管理しておくことが望ましいと考えられます。
 ※特定ラジオマイク周波数帯移行問題の最新情報は、『特ラ連レポート』や当連盟Webサイト(http://www.tokuraren.org/)で随時、お伝えしています。また、『特ラ連レポート 第127号』では、「特定ラジオマイク周波数帯移行問題 Q&A」と題して、今後の動きや補償問題に関して解説しています。ぜひ、ご覧下さい。

(石川)