特ラ連設立20周年おめでとうございます。
創立以来、ラジオマイクの良好な利用環境の確保を通じて、舞台芸術、放送番組制作など様々な分野の発展に大きく貢献されたことに深く敬意を表します。
さて、今から20年前、創立の頃のことです。平成2年4月、私は当時の郵政省のとある部署に配属になりました。前任者から、「高性能のワイヤレスマイクが制度化されたが、混信が起きないよう、利用者どおしで運用を調整する必要がある。そのための団体ができることになっている」と聞き、「混信が起きない制度にすりゃいいものを・・」と思いながら、何のことやらよくわからないままに、サウンドクラフト社の八幡社長にお目にかかることになったのです。
最初は、「団体組織を作るなんて、何と大層なことをするんだろう。」と思っていたのですが、何の、何の。ちょっとくらい雑音が入っても良い、といった代物ではなく、プロ中のプロの芸術家や音響専門家が使うワイヤレスマイク。完璧さが必須とのこと。八幡さんの口からは「ゲイダンキョー(芸団協)」や「ホールキョーカイ(ホール協会)」といった、通信分野にいる私にとって全く未知の世界の名前が飛び出して、感動するやら、戸惑うやら。
その年の7月に創立総会をやるというので、ちょくちょく八幡さんがいらして、その準備状況の説明を受けることになりました。出席者を聞くと、なんと業界の大物ではないか!!そこで問題は、総会には郵政省から誰がでるか。八幡さんからは、できるだけ上の方を、と要請され、私の上司のM検査官と局内駆けずり回って、結局、局長が出席することに。任意団体の総会に局長が出るのは珍しいことで、それだけワイヤレスマイクの運用調整が重要課題であり、困難な仕事であると理解されていたということ。
設立の後、運用調整本番が始まり、特ラ連は全国から会員集めや放送事業者との調整に奔走されました。事務局の方々にとっては、功はあるけど労が多過ぎ、という状況が続いたのではないかと察せられます。その甲斐あって、20年経過した現在は、900近い会員の理解を得ている大きな団体に成長されました。
これも、ひとえに八幡理事長を始めとする関係各位の並々ならぬ努力のたまものです。 今後とも、高性能のワイヤレスマイクが良好に利用できる環境が維持され、特ラ連が発展していくことを期待いたします。