特定ラジオマイク利用者連盟20周年おめでとうございます。
劇団四季研究生を経て私も32年が過ぎました。30年ほど前は、音響メンバー4名、年間400ステージで同時期2本の公演をやる事になって機材もなく大騒ぎしていたことを思い出します。その頃は池藤無線の40MHzワイヤレスハンドマイクシステム8波と単体の4波セットを2システム所有していただけで、公演時は同じ周波数のマイクを持った2名の役者の1名が舞台に出る直前に袖でONして舞台に登場、袖に引っ込むとOFFにする、そしてもう1名の役者さんが、入れ替わる時同じ事を行い舞台に登場する方法で周波数より倍の人数分マイクを運用していました。棒状のマイクを胸元の中に仕込み衣装に手を突っ込んで電源スイッチを触る為、針金で突起を作りON側が解るようにしたりした事、公演中に電波が落ちたり、スイッチの入れ間違えやノイズが出るのは当たり前でそのようなトラブルを気にはしていても許してもらえる時代でした。機材も少ないため、千秋楽の公演終了後ワイヤレスシステムすべてを手持ちで山口県から茨城県まで電車で運んだことなども懐かしい思い出です。その後ツーピース型を使用することになり、50MHz 70MHzを経験して200MHzへと移行していきました。
80年代400MHz〜500MHzでダイバシティシステムを使用するようになり飛躍的に性能が向上しました。公演使用も16波ぐらいになり、マルチチャンネルの時代に突入します。
90年代電波法の移行期間に青山劇場で200〜800MHzを使用して46波同時運用も経験しました。
96年電波法の施行により現在のFPU4・2帯使用となり劇団四季年間ステージ数も増え続け、2009年度音響メンバー45名、年間ステージ数約4,000回、同時期に10〜12本の公演を行うようになりました。ワイヤレスも24〜35波同時使用が当たり前で、公演とは別に稽古場でも3システムが毎日稼働しています。多数を運用しながらも公演に支障を来すトラブルもほとんどなく送信機もカツラの中に隠せるほど小型になりマイクヘッドも額に仕込んでほとんど目立たないサイズになっています。
ここまでに至るまでには30年以上の蓄積されたワイヤレス使用経験とメーカーによる機材の進歩にはただ驚くばかりです、現在は少しのノイズでも報告書作成になるぐらいトラブルがないことが当たり前になっています。
電波障害トラブルも事前運用調整で問題なく公演を行えること、ご連絡頂いて運用調整して頂く各方面の皆様にもお礼申し上げます。音響メンバーが現場にて安心してワイヤレスを使用できることについては特定ラジオマイク利用者連盟のスタッフ皆様に大変感謝しております。
今後はデジタルワイヤレスへの移行をスムーズに行えるようにと考えております。よろしくお願いします。