「特定ラジオマイク利用者連盟」20周年おめでとうございます。
時の過ぎるのは早いもので平成2年7月の発足から20年。TV放送も地上デジタル放送が開始され、またインターネットの爆発的な広がりなど世の中デジタル時代です。特定ラジオマイク(以下WLマイク)もアナログからデジタルへの入口を迎えています。
昔のWLマイクを今振り返ってみると、40MHz帯で周波数も固定、送信機には長いアンテナ、受信アンテナもロッドアンテナのみでした。収録ものはともかく生放送でよく使っていたものだと思います。ノイズや混信の原因となる機器や発生源が少ない時代だからこそ何とかなっていたのでしょう。
その後、400MHz帯に移行しますが、波の数や混信など安定運用にはいろいろ苦労しました。そして800MHz帯へ。800MHz FPUとの共存ですが同時使用波の数が増え、機器の安定化とともに制作サイドのWLマイク使用の要望が多くなってきました。NHKの長寿番組「NHKのど自慢」もアナウンサーマイクのみWLマイクからゲスト・出演者マイクがWLマイクに変わったのも800MHz帯特定ラジオマイクの導入がきっかけでした。
現在、エンターテインメント・情報番組やスポーツ中継など日常的に使用されているWLマイクですが、有線マイクのバックアップなど障害対策は常に考えています。
デジタル方式特定ラジオマイクは、同時使用波の増・送信機側のメタデータ表示・受信機側からの送信機制御など高度化により便利になりますが、いろいろな所で言われているように遅延時間をどこまで少なくできるかが課題と思います。単独使用では支障にならなくても有線マイクやアナログ方式との混在運用では支障をきたす場合が考えられる。このほかにも音質・音切れの保証などフィールドでの結果が楽しみである。
高度化していくデジタル方式特定ラジオマイクはあるが、いずれにしても800MHz FPUやアナログ方式特定ラジオマイクと共有の周波数帯域であり、現在と同様に特ラ連による確実な運用調整が大切であると思う。