2017年1月1日 第154号  前 目次 次
1.2GHz帯域選択について

前回の理事会報告を補てんするかたちで、特ラレポート第153号のなかで紹介させて頂いた図を用いて、最近 問合せが増えた1.2GHz帯での帯域について解説します。

ご承知の様に1.2GHz帯は、従来の700MHz帯770~806MHzを放送事業者が使用するFPUと共用することと同じように運用調整を行うことで、特定ラジオマイクも使用することが可能となっています。

さて、図の左側の上からの矢印はGPSなどに代表される方位衛星をイメージしています。
 方位衛星からの電波エネルギーは地上面では微弱なためFPUとの被干渉、与干渉の検討結果からガードバンドの3MHzはラジオマイクが優先的に活用できたらとのコメントを頂いていますので、まずは低い方からご利用頂けたらと考えます。
 また152号で報告させて頂いた1.2GHz帯用フィルタテストでも述べましたが、1260MHzのバンドエッジでFPU FHとの干渉対策など まだ検討中とのご意見もあります。
 従来の2/4帯では多チャンネルプランを組んだ真ん中あたりに後から取材チームが入って苦労したとのお話しも多々あり、今後は各方面とのスムーズな棲み分けも必要ではないかと感じています。
 運用調整システムの方から述べるとL,M,Hの各帯域は混信判定のためのデータとして取り込んでいるので帯域での違いによる問題はありません。

どの周波数を選択し運用するかは電波法令上 各無線局の責任となりますが、現場での打合せなどが完了し、隣接する無線局同士が運用周波数を確認している場合などは運用連絡票のメモ欄にその旨をコメント頂けたら幸いです。

電波法の第1章 電波法の目的は、「電波の公平且つ能率的な利用を確保することによって、公共の福祉を増進する。」とあります。
  法の精神を遵守し限りある周波数資源の有効活用にご協力の程、お願い致します。

(甲田乃次)


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