この度は、第14回特ラ機構技術賞をいただくことができ、とても感謝しております。
今回、私たちが応募した「23ページ目のレシピ」は大学生活最後の卒業作品であり、自然に囲まれた、あたたかい雰囲気の画面に合うような“静”を意識した音作りを目指しました。
機材は主に、ワイヤレスマイク、ガンマイク、4chポータブルミサーを使用。それをカメラにつなぎ映像とともに収録しました。メインスタッフが3人しかいないため、なるべく機材を少なくし、ワイヤレスマイクで演者のセリフを録音しながらガンマイクでフォローする、という形をとりました。
撮影場所も遠く、取り直しに費用や時間がかかるため、セリフが聞きとれないほどの明瞭度の悪い録音をしないように心がけました。
しかし、今回の作品では蝉のなき声が大きな問題となりました。セリフのすべてがかき消されるわけではありませんが、カットごとになき声が変わり、画が繋がらなくなってしまうのを避けるために、なるべくマイクをキャストに近づけることでなき声を最小限に抑えました。その素材にMA作業で現地の収録した蝉のなき声を被せ、違和感のない音に仕上げました。
大学生活で学んだ映像作品の集大成として、このような形で評価していただき、とても光栄です。
作品制作は決して楽なものではありませんでしたが、共に制作に挑んだ仲間との経験は私にとって大きなプラスとなり、今後の自信や糧ともなりましょう。
この度は、誠に有難うございました。
尚美学園大学 情報表現学科 海田 帆南