ちょっとブレイクなので重くならず爽やかに・・・っといきたいところですが・・・・・
私は30数年間にわたりPAのエンジニアをしておりました。
日本中を駆け回り時の経つのも忘れて、現場で音をミックスしておりました。(もちろん各地のおいしい食べ物やお酒も楽しみましたが・・)
ライブコンサートはリアルタイムに音が放出されては消えていく、やり直しの出来ない仕事です。
ほんとうに数えきれないほどの悔しい思いもしましたが、年を重ねるごとに少しずつ経験がものを言うようにはなりましたが、やっぱり音の世界は深い!本当に深いです!
私にとって、目に見えない音の世界は人生最大の関心事です。
人間は耳と脳で音を判断しますが、このとてもすばらしい機能がこれまた複雑に作用することでいろいろな事が起きます。
ひとつの音にピントを合わせる(カクテルパーティー効果)ことができるので自分があるひとつの音ばかりに集中し過ぎて全体が疎かになってたりして反省しきりです。
同じ音でもF-1ならイイ音、暴走族だと耳障りと感じるのは脳が決めたりしてるのですよね。
イイ音の解釈は人それぞれ違うので平均値を考えながらミックスをしていたのですが、時々悩みにハマったりしていました。
スピーカー・アンプ・コンソール・マイク・会場の特性・アーティスト・自分のスキルなどすべてが疑わしくなったりして・・・・
マインドコントロール・平常心・感性・常識・音楽センス・バランス感覚・勢い(ノリ)などなど重複しているのもありますが、このようなキーワードを自分に問いかけながらオペレートをする日々でした。
そしてすべてがうまく噛み合って、自他共に認めるイイ音が出た日は本当に気分が良くておいしくお酒が飲めました。生きてて良かった!!
(ちょっと大袈裟ですけどこのぐらいうれしい!)
大好きな特性を持つホールの予定が入ると何となく楽しみになっている自分がいました。
特ラ機構レポートなのでラジオマイクの思い出も少し書きます。
ワイヤレスマイクやイヤモニとの出会いもいろいろありました。
ある7人組みのアイドルバンドでVocalにSAXplayerが近づくとVocalMicが必ずいなくなる、それぞれワイヤレスでどうしたものかと、あの手この手を尽くしたのを思い出します。SAXplayerが使用していた持ち込みWLが海外仕様のもので日本規格ではありませんでした。
またある時、初めてイヤモニを使うある女性アーティストが耳にかえったギターの音に驚き一瞬でイヤモニを却下されこともありました。何事も最初が肝心ですね。
電波といえば地方の野外コンサートで起きたことですが、会場近くに駐車していた機材運搬用11tトラックのCB無線があまりにも高出力のためPAシステムに飛び込んでしまい、リハーサルが中断してしまったこともありました。
むかしの話です。今だったらたいへんですよね。
今や音の世界においてラジオマイク・イヤモニはマストな存在になりつつあります。
目に見えない音の世界に、電波の世界がプラスされて増々興味深い世界が繰り広げられています。
今回の新周波数帯移行はわたしの経験上2回目の周波数移行ですが、前回とはまったく違う様子になっていますね。
とりとめもなくつぶやいてしまいましたが、音の世界に関わって音のバランスだけではなくすべてに関してバランスって大事だと痛感してる今日この頃です。
ちょっとブレイクなのでそろそろこんなところでやめにして・・・・
さぁ仕事!仕事!
当機構理事 小野 良行(ヒビノ㈱)