2014年7月1日 第139号  前 目次 次
周波数移行に関する情報11
  • 運用調整
  • 茨城県ひたちなか市で700MHz帯実験試験局を開設

 平成26年8月から平成27年3月までの間、携帯電話認定開設者による「700MHz帯LTE実験」が、茨城県ひたちなか市で実施されます。特ラ機構は、昨年の埼玉県比企郡川島町で行われた実験と同様に、携帯電話認定開設者に対して特定ラジオマイクの運用連絡をおこないます。
 今回の実験は携帯電話基地局11局を使用したもので、広域での対応を検討するものです。実験期間中の同地域内での特定ラジオマイク運用時には、基地局からの電波は停止となります。従いまして、同地域における特定ラジオマイクの運用連絡は、遅くとも前日までに当機構へお願い致します。
 なお、恒例となっている「ひたちなか海浜公園」で行われる「ROCK IN JAPAN FES 2014」 の期間中については、既に実験が停止されることになっています。
  • 機器
  • 「新周波数対応 特定ラジオマイク 合同テスト会」レポート

 平成25年11月21日、浦安市文化会館(千葉県)を皮切りに、全国5か所で開催された「新周波数対応 特定ラジオマイク 合同テスト会」。さらに今回、追加として以下の5つの地域でもテスト会が開催されたので、その様子をレポートしたいと思います。

平成26年5月22日仙台市泉文化創造センター(宮城県)60名来場
平成26年5月27日アルファあなぶきホール(香川県)50名来場
平成26年5月29日アステールプラザ(広島県)94名来場
平成26年6月2日札幌市民ホール(北海道)80名来場
平成26年6月5日富山県教育文化会館 (富山県)70名来場

 今回のテスト会から、当機構による運用調整に関する説明が加わった他、前回好評だった音質テストに加え、会員の皆様からご質問の多かった「電波伝搬テスト」を行ったのが最大の特徴です。

新しい運用調整の仕組みを紹介

 当機構による「新周波数帯の運用調整について」では、TVホワイトスペースにおける新しい団体「TVホワイトスペース等利用システム運用調整協議会」(特ラ機構も加盟)について紹介した他、運用調整システムである「統合データベース」の概要について解説しました。さらに、運用連絡は従来のFAXに加えて、メールによる申請や連絡にも対応していることを紹介。その上で、新周波数帯に対応した運用連絡票の記入方法についてレクチャーしました。また、TVホワイトスペースではチャンネルリストに従った運用と早めの運用連絡についても会員の皆様に要請しました。
 周波数は新しくなっても安心して運用調整を受けることができ、より便利になることを会員の皆様にご理解頂けたと思います。

障害物を設置して伝搬状況をテスト

 各メーカーさんによる新製品紹介では、プレゼンテーションの後、ハンドタイプのテストが行われ、男女2名のボーカリストによるタンバリンなどを使った楽器音や、今回のテスト会に合わせて作曲されたテスト曲「ア、パ、サ」などを使って、リファレンス用のSM58ワイヤードマイクとの音質比較が実施されました。
 詩の朗読に続き、ソロ曲では舞台を暗転し、どのマイクで歌っているかを聞き比べる「ブラインドテスト」も効果的でした。
 そして、今回のテスト会の目玉ともいえる「電波伝搬テスト」では、鉄製のパンチ板にアルミシートを張った障害物を舞台上に設置。2ピースタイプのトランスミッターを仕込んだスタッフが、受信用アンテナからその障害物の影に隠れるようなかたちで舞台上を動き、各社製品の電界強度の変化を確認しました。さらに、舞台上だけでなく、ホール内の楽屋通路やバックヤード、ロビーやホワイエなど、さまざまな環境を使ってウォークスルーテストを実施。その際、コントロールソフトウェアのRFメーターのレベルが舞台上のサブスクリーンに映し出され、併せてその他のパラメーターについての解説もあったので、テスト内容がとても分かりやすくなっていました。
 メーカーさんによっては、TVホワイトスペース帯と1.2GHz帯、同じ帯域でもアナログとデジタル、出力切り替えのある機種では、基準の10mWと高出力50mWでの到達距離などについても検証されました。

障害物の多い環境ではアンテナを工夫

 今回のテスト会で確認できた点として、新周波数帯のラジオマイクは、現行周波数帯(2・4帯)のマイクと比較して、各社とも従来に増して音質的にも高品位であると感じました。
 また、電波伝搬テストでは、TVホワイトスペース帯や1.2GHz帯について、現行周波数帯と比較しても劣るところがなく、問題なく運用できることを確認。さらに10mWと50mWの出力比較については、ゴルフ中継や競技場など見通しの良い環境では50mWに上げるメリットがあるものの、逆に障害物が多い環境では、出力を上げても効果が乏しく、その分、受信アンテナを工夫することにより、安定した受信条件を作り出せる点などが検証できました。






(甲田)

  • 免許
  • 総務省Webサイトにチャンネルリスト検索機能が登場

 TVホワイトスペース帯(470~710MHz)において、特定ラジオマイクが使用できるチャンネル・施設名・場所などを総務省が明示した「特定ラジオマイクのTVホワイトスペースチャネルリスト」。同省のWebサイト『電波利用ホームページ』上で公開されていますが、これまではPDFファイルの一覧表を閲覧できるだけでした。そのため、リストに掲載されている施設を検索するには、一覧表に記載されている項目をひとつひとつ見ていくしかありません。しかし今回、新たに検索機能が加わりました。
 リストの検索は、同じく『電波利用ホームページ』の「無線局情報検索」内にある「特定ラジオマイクホワイトスペースチャンネル検索」から行うことができます。検索条件として「アナログorデジタル」、「都道府県」、「区市町村」などを選択して検索すると、条件に合致する登録済みの施設やチャンネルが地図と共に表示されます。施設に特定ラジオマイクを持ち込み運用するにあたって、その施設がチャンネルリストに登録されているか、また使用可能チャンネルを確認したい時には便利な機能といえるでしょう。

総務省『電波利用ホームページ』 http://www.tele.soumu.go.jp/
①『電波利用ホームページ』のトップページから「無線局情報検索」を選択。さらに「3.特定ラジオマイクホワイトスペースチャンネル検索」を選択すると、利用にあたっての注意事項などが表示されるが、「同意する」をクリックすると検索条件の項目が現れる。
②検索条件は、まず運用したいラジオマイクがデジタル方式かアナログ方式かを選択。続いて都道府県を選択して、検索対象を絞っていく(市区町村まで絞ることが可能)。「検索」ボタンを押すと、該当する施設とチャンネルが地図と共に表示される。

③「検索結果一覧」に表示された施設では、TVホワイトスペース帯を使用することができる。また「○」を付されたチャンネルが利用してよい周波数となる。「この結果をダウンロードする」ボタンを押すと、エクセル形式のデータとしてダウンロードすることも可能。


  • 免許
  • 再免許状に現行周波数帯の使用期限を付加

 平成26年5月31日に有効期限を向える現行周波数帯(770~806MHz)特定ラジオマイク無線局の免許をお持ちの各会員様には、さらに免許の有効期限を5年間伸ばす再免許(免許更新)申請をして頂きました。当機構を通して申請された会員様には、既に新しい免許状を各運用担当者様に送付しています。
 今回お送りした再免許状から、新たに現行周波数帯の使用期限が付加されるようになりました。再免許状の備考欄を見てみると「(注)この周波数の使用は、平成31年3月31日までに限る。」とあります。免許自体の有効期間は「平成31年5月31日」までなのですが、現行周波数帯(770~806MHz)の使用期限はそれより2か月早い「平成31年3月31日」であるため、このような記載がなされるようになりました。


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