座談会 「現場技術者大いに語る」
その2
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◇鉄分や血圧の影響は
金森 アンテナなんか1m半くらいあってね、蛍光灯からのノイズは乗りますし、低血圧の人はだめなんですよね。
 四季でもありましたよ、鉄分を飲む人がいるんです。役者なんか健康と体力をつけるために鉄分を飲む人がいるんです。前に日に飲んでそれで仕込みの200MHzをつけると落ちるんです。原因が分からず、はずすと受かるんです。で、その役者に、なんか変なことしませんでしたか、と聞くと、昨日鉄分をいっぱい飲んだけど………で、飲んでない次の日、同じ送信機を同じ場所につけてみて問題ないんですよ。 ちょっとテスタ−で計ってみたいですね(笑い)。
井野 たしかにありますよ。200MHzをつけてデッドポイントの多い人とそうでない人といますよ。
町山 たしかに人によって違いますね。
金森 特に40MHzの頃はもっと極端で、女性の低血圧とか、一ケ月毎のある日とか、あれで電波状態が悪くなるんですね。どう考えてもそれしか考えられないんです。しかし今はずれないんです。800MHzはかなりずれなくなった。汗かきの人は、ハンドタイプのマイクを使用するときには、手ぬぐいを巻いて直接持たないことです。
井野 大先輩のはなしを聞くと、ワイヤレスのはしりのころは、受信機係がいて一生懸命追っかけてそうです。
金森 だからそれをどのくらいずらすか、ということは秘密だったんです。ぼくらそれを知っていて、あの人だからこれくらい上げておこう、とチュ−ニングをずらしておくんです。すると一時間ほどすると合うんです。今はクリスタルで影響するようなことはないんですね。
◇ミュ−ジカルやス−パ−ボ−ルのこと アンテナのケ−ブルのことなど
司会 わたしなんか800MHzになってミュ−ジカルのマイクの波が増えたのかと思っていたらそうじゃないんですね。
金森 ブロ−ドウェイはなぜか‘21’本というきまりがありまして、ところがここ3年くらい前から、30とか40とかになりまして、簡単に言えば全員に持たす、と。出演者と同じ本数使うのが一番プランを考えなくていいと。照明も同じようなことをやって、全回路を一個づつとれば何も考えなくていい(笑い)。
司会 21というのはなんとなくブロ−ドウェイで出来たんですか。
金森 たまたま"オペラ座の怪人"とかは21本なんです。ブロ−ドウェイとかロンドンはそうなんだそうです。プランナ−が来たときに聞いたんです。ゼンハイザ−は無茶苦茶なプランでやっていますからね。90何波とか………
町山 アメリカの場合はス−パ−ボ−ルで120ch使っていますね。多分NHKさんは資料を持っておられると思いますが、ワイヤレス(チャンネルプラン専門)会社があるんです。ス−パ−ボ−ルの時はTVのハンディワイヤレスから全てを一社が管理するんです。スペアナなど見ながら、この周波数は出力をいくつにして、こっちの周波数はいくつにする、と組み合わせを作るんです。この場合、ハ−フタイムで、もちろんみんなイヤモニを付けてやってますし、これは近いから10ミリでいい、これは50ミリまで上げよう、ということをやる会社があるんです。アメリカは50ミリが基準ですから。
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