座談会 「現場技術者大いに語る」


司会





井野








司会
井野


金森




井野
伊藤
井野

伊藤

井野
伊藤
井野

伊藤









井野
伊藤




司会
FPUのこと

 さて、FPUについてですが、われわれのところに障害があると、FPUじゃないか、という連絡がくるんですが、現在100%と言っていいくらいFPUの使用連絡は放送局さんから来ております。放送局さんも800MHzをお使いになっているから制約は受けるだろうし……FPUの連絡で1ch から4ch というのが多いんですが、われわれにしてみればどれかにして欲しいんですが、井野さん、FPUは800MHzの上はあるんですか
 いっぱいあるんです。ただ高い周波数になると指向性をつけないと飛ばない。それも思いっきり指向性をつけてやりますので、まあ、マラソンの移動車のように常に動いているものを追う場合は、指向性が鋭すぎて追い切れないんですね。ある程度周波数が高くないと映像信号を送れませんので、なおかつ飛ばせるということで使いやすいのが800MHzということなんですね。ギガ帯のようにとんがった指向性だと見失ってしまう。追いかけ切れない。たとえギガ帯を使ったとしてもチャンネルは10もないですから、TV局に免許が下りているのがですね、チャンネルそのものも足りなくなってしまう。800MHzの4波というのは普通の移動中継には欠かせない状態ですね。
 映像中継でも800MHzというのは使いやすいんですね
 そうでしょうね、今の技術では使いやすいんでしょうね。ヘリコプタ−で、というような時はもっと上のマイクロ波でも出来るんでしょうが、そうすると自動追尾という仕掛けをしないと、手動では無理でしょうね。
 ヘリの中継ですとわれわれにはあまり影響はないんですよね。真上へ飛ばすものですから。秋劇場(劇団四季の常設劇場 東京都港区浜松町に秋と春の二つがある)で正月にやった時も、劇場の正面玄関からヘリへ飛ばしても全然問題がなかったんです。元旦に生中継するというので、前もって実験をやりました。NHKさんが来て一度飛ばしてみましょう、ということで全然問題ありませんでした。
 それだけ指向性が強く出来ているんです。
 FPUの優先順位というか、使い勝手の順位はあるんですか。
 いいえ、それは各局さんの事情によって、送信機の数と受信機の数と、音があるんでしたら音のチャンネルとの関係ということで決めているんではないでしょうか。
 アナログの時は2ch と4ch をよく使っていましたよね。それは干渉のためそうやっていたわけですね。
 ええ。
 それがデジタルに変わってきて1ch から4ch まで使えるというわけですか。
 いえ、まだそこまでは物が多くなっていないですから、ただ可能性は出てきていますね。
 帝劇の目の前の道路は年間3〜4回マラソン中継をやるコ−スなんですが、平成5年に特ラ連の仲介でテレビ朝日800MHzFPUのヤイヤレスマイクに対する干渉テストをやりました。
 このテストの結果、FPUのアンテナの振り方にもよりますが、帝劇を中心にし半径300mmまでワイヤレスに影響が生じることが判明しました。それからFPU4chを搭載した中継車が通過するときは電話連絡で、今どこそこです、まもなく帝劇です、と言うように連絡をもらい、中継車が通過の際は、ワイヤレスを有線のフットマイクに切り替えてカバ−しているんです。
 その後、7年経過しますが、これらの対処は基本的に変わりまっせんが、800MHzFPUが今年あたりからアナログからデジタルに変わってきているんですよね。
 去年からですね。
 以前のアナログFPUの場合、2chと4chしか使用できなかったのが今後、デジタル化により1ch〜4chまでの同時運用が可能ならば、もしこちらの要望を言わせてもらえば、せめて4chだけでもマラソン本番の通過の際は、停波してもらいたいんです。特にミュージカル公演の時はお願いしたいですね。リハーサルの時は止めてもらっているんですよ。
 本番は一回なんでしょうが、リハ−サルなどいれると実際は4、5回なんでしょうか。
 800MHzというFPUのお話しをうかがうと、電波の性質として使いやすい、ラジオマイクがギガの方へいったらいいじゃないか、というとこれはこれで舞台などで使う場合、短い波になったんじゃ問題もありましょうし。