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特ラ連の今昔を思う |
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理事、会員の方に自由に書いていただきました |
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サウンド・プロデュース・タスク 代表 町山 俊宏 |
私がプロのPAエンジニアになった頃はまだ、200MHzと400MHzそれと40MHzを使っていた時代でした。もちろん、周波数プランなど全く無縁のものでした。なにしろ、ワイヤレスマイクはそれぞれが固定の周波数であった訳ですし、放送は別としてアンテナデバイダーなど、使った記憶もほとんどありません。まあ、芝居やミュージカルの現場でない限り10波以上の運用もなかったと思います。それが今、コンサートツアーでも、10波は当たり前になりました。技術の進歩と芸術文化の発展は、目覚ましいものがあります。 さて、電波法が変わった現在、この法に従って我々は芸術文化に携われなければならないのです。そしてこの電波法が特ラ連を生み、また、混信という厄介なものから救われているのも事実であることは否定できないのです。残念ながら運用する側も、この電波法と特ラ連の運用連絡の意味を理解されていない方が多いということです。 「このプランでやりませんか?」と相談しても「うちは変えられないから」という返事が帰ってきます。A帯で周波数を変えられないものではないのにこの返事です。これでは運用連絡も特ラ連の意味もなくなってしまいます。 反対に、こんな良い例もあります。 昨年千葉県の幕張メッセで、ツアーのゲネプロ最終日のことです。 当日、CXさんがマラソンの中継リハーサルで、FPUを使うとの特ラ連からの連絡がありました。この時は、お互いに時間の確認や、電波のオン、オフのタイミングまで相互の理解の上で無事運用できたという、特ラ連の意味ある形ではなかったかと思います。 今後も、意義ある特ラ連であり続けていただく為に、ワイヤレスマイクの運用普及、知識、認知の拡大に貢献していただければと思うとともに、会員の皆様のご理解とご協力の輪が広がればと、この10周年に思うところです。また、事務局の皆様のご努力に感謝するところです。 |
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