周波数移行に関する情報(7)

特定ラジオマイクは、現行の周波数からホワイトスペース等の他周波数へ移行します。周波数移行に関する最新情報や用語解説、会員からの疑問などを紹介するコーナーです。

  • 免許
  • ホワイトスペース「チャンネルリスト」が間もなく追加更新

“ホワイトスペース”において、特定ラジオマイクが運用できる場所や使用可能チャンネルを明示した「チャンネルリスト」。平成25年5月、その第1弾として約600か所が総務省によって公開されました。そして、今年の秋にはさらに約600か所程度が追加される見込みです。追加更新されたリストが公開される詳細な日程は分かっておりませんが、更新され次第、当連盟のWebサイト等でお知らせ致します。
 チャンネルリストは「どの場所でどのくらいのチャンネル数が使えるのか」ということが分かる一方で、チャンネルリストに掲載のない場所では「ホワイトスペースが使えない」ということも意味する重要なもの(掲載場所以外での特定ラジオマイク運用は電波法違反)。ぜひ、ご確認下さい。
 チャンネルリストは、総務省のWebサイト「電波利用ホームページ」からダウンロードして、誰でもその内容を確認することができます。

「チャンネルリスト」を確認するには?

総務省「電波利用ホームページ」へアクセス。トップページ→「資料集」→「18.特定ラジオマイクのTVホワイトスペースチャネルリスト」からダウンロードできる。リストはデジタルとアナログに分かれているので注意しよう。
●総務省「電波利用ホームページ」…http://www.tele.soumu.go.jp/
  • 機器
  • 新周波数帯特定ラジオマイクの標準規格が改定

 新周波数帯に対応した特定ラジオマイク機器を各メーカーが製造する上で、基準となるのが一般社団法人 電波産業会(※1)が策定する「標準規格」(※2)です。
 新周波数帯の標準規格「特定ラジオマイクの陸上移動局の無線設備(テレビホワイトスペース帯、1.2GHz帯)」は、平成25年7月に策定されています。そして今回、不要発射の強度の許容値見直しなどに対応した改訂版(1.1版)が公表されました。
 この標準規格は技術的な内容が中心となるため、すべてを理解するのは難しいかもしれません。しかし、チャンネル呼称の一覧なども掲載されているため、新周波数帯に対応した機器がどのようになるのか、その参考になるといえるでしょう。標準規格は、一般社団法人 電波産業会のWebサイトからダウンロードすることができます。
  • ※1 一般社団法人 電波産業会(ARIB)・・・機器製造メーカー、電気通信事業者、放送事業者などの参加を得て、各種電波利用システムに関する無線設備の標準的な仕様などを「標準規格」として策定している。
  • ※2 標準規格・・・国の技術基準と民間の任意基準を取りまとめて策定される民間の規格。

「特定ラジオマイクの陸上移動局の無線設備(テレビホワイトスペース帯、1.2GHz帯)」



トップページ→「情報提供業務」→「標準規格等一覧」→「標準規格(通信分野)一覧表」→標準規格番号「STD-T112」の「特定ラジオマイクの陸上移動局の無線設備(テレビホワイトスペース帯、1.2GHz帯)」からダウンロード。 この標準規格には「付録1 運用の手引き」として、チャンネル呼称の一覧表を掲載。例えば、470.025MHzは「13-001」と呼ばれることになる。
●一般社団法人 電波産業会(ARIB)…http://www.arib.or.jp/

  • その他
  • 周波数移行関連のセミナーが各地で開催される

●AES日本支部60周年記念イベント

 平成25年8月23日、東京藝術大学 千住キャンパス(東京都足立区)において、AES(Audio Engineering Society Inc.)日本支部の60周年記念イベントが開催されました。その中で、周波数移行関連のセミナーも実施されました。
 第1部は(一社)700MHz利用推進協会による、周波数移行や終了促進措置についての概要説明。補償を受ける上で必要な同協会との契約などについて、踏み込んだ内容の解説があった他、チャンネルリストに掲載のない免許人に対して、リストに載せるための「混信保護の検討」を同協会の負担で行う、といった内容の告知もありました。
 第2部は、ラジオマイクメーカー各社による製品紹介。モデル名や発売時期、カバーしている周波数帯などを挙げた上での、かなり具体的な商品紹介をするメーカーが多かったといえます。平成25年11月13日から開催される「Inter BEE2013」では、多くの新周波数対応機器が登場するのではないか、と思わせる内容になりました。


セミナー会場は満席で立ち見が出るほど。質疑応答では「混信保護の検討」やチャンネルリストに即したチャンネルプランなど、ホワイトスペースでの運用に関するものが多く出た。 会場内には各メーカーによる音響機器全般の展示がされており、特定ラジオマイクの展示もあった。

●平成25年度「経営幹部研修会」セミナー

 平成25年9月25日、仙台宮城野区文化センター(宮城県仙台市)において、日本舞台音響事業協同組合による「経営幹部研修会」セミナーが開催されました。この中で「特定ラジオマイク等の最新機器システムの技術解説」というテーマで、当連盟事務局の甲田乃次(技術委員長)が講演を行いました。
 ARIBの「標準規格」について、現行周波数帯での歴史的経過を紹介した後、新たに定められた新周波数帯のものについて解説。また、チャンネルリストを理解する上で必要な“ガードバンド”について、具体的な例を挙げながら解説しました。質疑応答では「チャンネル呼称と占有周波数帯域幅との関係は?」といった専門的な質問も頂き、参加された皆様の技術レベルの高さを感じました。


会場内にバンドを招いて、新周波数対応機器の音質テストなども行われた。 機器の展示も行われ、各メーカー担当者の解説に、参加者は熱心に耳を傾けていた。


 新しい周波数に対応した特定ラジオマイク機器の性能を実際に確かめられる“テスト会”が開催されます。このテスト会では、特定ラジオマイク機器を扱う各メーカーが協賛。実際に特定ラジオマイクが運用される環境(ホール)を使って、各メーカーごとに音質やマルチチャンネル運用などがテストされます。
 また、会場内には各メーカーのブースが設けられ、新機器の展示が行われる予定。実際に機器を手にとって確認したり、担当者に相談や質問などもできます。
 テスト会は全国5か所で開催される予定で、場所と日程は以下のとおりです。

「新周波数対応 特定ラジオマイク テスト会」
主催: (一社)700MHz利用推進協会、日本舞台音響家協会、
特定ラジオマイク利用者連盟
開催日・場所: 平成25年11月21日 浦安市文化会館(千葉県)
平成26年2月11日 福岡市民会館(福岡県)
平成26年2月13日 兵庫県立芸術文化センター(兵庫県)
平成26年2月18日 北とぴあ(東京都)
平成26年2月21日 ウインクあいち(愛知県)
※参加に関して事前登録などは不要。
●本テスト会に関するお問い合わせ
一般社団法人 700MHz利用推進協会
電話 0800-800-0824(通話料無料)
(受付:月〜金 祝日除く 9:30〜18:00)
お問い合わせフォーム http://www.700afp.jp/contact.html