
 認定開設者とは、特定ラジオマイクが現在使用している周波数から移行した後、その跡地である 周波数移行後の特定ラジオマイクは、運用形態・無線局免許・運用調整などあらゆる面で、現行のものとはやや異なったシステムとなります。また新システムの中でも、周波数ごとに違いが出てくるものと思われます。そこで、周波数ごとの特徴について、その一部を下表にまとめてみました(平成24年12月現在の内容で、今後も変更の可能性あり)。また、“チャンネルリスト”“可搬型”といった新しい用語については、解説を付したので参考にして下さい。
 注目すべきポイントとしては、ホワイトスペースでは“チャンネルリスト”によって利用場所ごとに周波数が指定されるということ。つまり、470〜710MHzの範囲内で「空いている周波数を自分で探して自由に使えるわけではない」ということです。また、ロケ取材といった“移動型”の用途では、ホワイトスペースは使えないという点にも注意したいところです。
| 周波数 | 運用 形態  | ラジオマイク利用時の チャンネル選択  | 同周波数を利用する 他システム  | 
|---|---|---|---|
| 470〜710MHz (ホワイトスペース)  | 
      固定型 可搬型  | 
      チャンネルリストに基づいた利用場所ごとの指定周波数の中から選択できる | 地上デジタルテレビジョン放送 エリア放送 センサーネットワーク 災害向け通信システムなど  | 
    
| 710〜714MHz | 固定型 可搬型 移動型  | 
      割り当て周波数の中から自由に選択できる | なし | 
| 1240〜1260MHz (1252〜1253MHzを除く)  | 
      固定型 可搬型 移動型  | 
      割り当て周波数の中から自由に選択できる | FPU、各種レーダーなど | 


 もうひとつの周波数移行先である、1.2GHz(1200MHz)帯に対応したデジタルワイヤレスマイクシステムを参考出品。ハンドヘルドとボディーパックの両送信機の展示をはじめ、現行のアナログ特定ラジオマイクとの聞き比べを行うこともできました。バッテリーはリチウムイオンを採用しており、現行品よりやや重いという印象。しかし試作機ということもあり、この辺りは改良されるかもしれません。気になる遅延やバッテリー持続時間など、詳しいスペック等は公開されていませんが、新周波数に対応した特定ラジオマイク機器が参考出品されたことは、とても意味のあることではないでしょうか。
「特定ラジオマイクの周波数帯移行について」と題するセミナーを開催。周波数移行の背景や各周波数の電波伝搬特性、現行周波数帯の使用期限などを分かりやすく解説していました。セミナーには多くの参加者が集まり、熱心に耳を傾けている姿が印象的でした。