第12回 特ラ連功績賞 かがわ文化藝術祭 2011 音楽舞踊劇「恋するジュリエット」

 この番組は、出演者18人に予備マイクを含め合計20波運用で行った1日2回公演の公開収録番組でした。
 企画の段階からワイヤレスマイクの使用を前提とした演出になっており、ワイヤレスマイクの運用上の破綻は公開収録そのものの破綻を意味します。必然的にワイヤレスマイクのプランは慎重にならざるを得ません。
 スタジオ系で管理する4帯10波セット一式、中継番組用で管理する2帯10波セット一式、合計20波で、運用することにしました。
 演出内容から、仕込みタイプは17本、ハンドタイプは3本とします。(放送上はハンド使用の場面はカットとなった)
 現場の設営では、マニュアルの通りや、いつもの通りにやってもうまくいかないことがありますが、そのようなことは架設ワイヤレスの常であり、そのトラブルシュートにより、結果が左右されます。
 今回もまた、ダイバーシティで立てたアンテナ片方の受信状況が芳しくなく、アンテナ置き位置の再検討、さらにアンテナを1本足す事で改善出来ました。
 各マイクの伝搬テストも良好でした。
 さらに、企画として観客にサイリウムを持たせ、2.4GHzの無線を利用して色をチェンジしていく演出があり、それも合わせて伝搬テストを行いました。
 理論上、電波被りは起こり得ませんが、各部所時間を調整し、相互影響がないことを確認しました。
 各所調整の結果、本番2回とも大きなトラブルもなく無事収録を終える事が出来ました。
 新しい技術等も積極的に取り入れながら、これからもワイヤレスマイクの安定運用に取り組んでいきたと思います。

株式会社 NHKメディアテクノロジー
石川 潤