< 特ラ連レポート124
第4回 中京広域圏「FPU・ラジオマイク運用連絡懇談会」報告
日 時:平成23年10月24日(月)14:00〜16:30
場 所:東海テレビ放送株式会社(愛知県名古屋市)会議室
出席者数:34名
(NHK・民放局、総務省、会員、特ラ連理事、事務局職員)


 中京広域圏では4回目となる「FPU・ラジオマイク運用連絡懇談会」が実施されました。本会の主旨は、放送局と会員の中から“現場で働く人たち”に集まって頂き、特定ラジオマイクに関して、意志の疎通や情報の共有化を図ってもらおうというもの。「FPU・ラジオマイク運用連絡協議会」や「地区FPU・ラジオマイク運用連絡協議会」への理解を深め、日常運用調整連絡の円滑化に役立っています。
 本会の出席者は、圏内すべての放送局と特ラ連理事。会員の皆様には、圏内の全会員に案内状をお送りさせて頂き、参加の要請を致しました。幹事につきましては、圏内の放送局向け窓口になって頂いている東海テレビ放送株式会社様です。
懇談会概要


青木茂之事務局員の「開会の辞」で始まりました。
  • 会長挨拶
     八幡泰彦会長による挨拶が行われました。特定ラジオマイクが制度化され、800MHz帯に周波数が割り当てられた当時の話や、近年の周波数移行問題に触れた上で、「放送局とも手を取り合い連携していきたい。原点に帰って知恵を出して頂きたい」という主旨が述べられました。
  • 自己紹介
     参加放送局→参加会員→特ラ連事務局の順で自己紹介が行われました。

第1部「特ラ連業務について」
@「FPU・ラジオマイク運用連絡懇談会の意義」(田中章夫理事長)
 特定ラジオマイクとFPUが相互に混信なく、快適に運用できるよう「FPU・ラジオマイク運用連絡協議会」及び「地区協議会」が設立された経緯などを紹介。また、「現場で活躍する人たちの意見・情報交換の場である」という本懇談会の趣旨や意義についても説明がありました。併せて、特ラ連の業務内容についても概要が述べられ、現在の会員数やマイク総本数、特ラ連の公的な根拠についても紹介されました。

A「特ラ連の現状と運用連絡」(石川来夢事務局員)
 各年度の月別総連絡数や最近の運用連絡件数とその傾向について。平成23年度については、東日本大震災後の4月には件数を一時的に減らしているが、復興関連イベント等の開催もあり5月にはその数を戻しているという現況が報告されました。
 続いて、運用連絡システムについてスライドを交えて紹介。運用連絡の必要性やその流れについて説明し、特ラ連事務局が使用しているシステムの表示画面などについても紹介されました。また、運用連絡票のサンプルが配布され、それに沿って記入時のポイントを解説。特にラジオマイクの使用場所に関して、詳細な住所まで記入してほしい旨や、屋内・屋外の区別までハッキリする必要がある点が述べられました。

第2部「セミナー」
「特定ラジオマイクの周波数帯域移行についての現況」(田中章夫理事長)
 平成25年を目途に、800MHz帯FPUと特定ラジオマイクの周波数帯を携帯電話事業者へ渡し、特定ラジオマイクは地上デジタル放送の“ホワイトスペース”か1.2GHz帯へ移行しなければなりません。それに伴い、各種検討会が発足し、調査や実験が進んでいるという現況について解説があった他、移行への条件ともなる「新・特定ラジオマイク」への要望事項についても説明がありました。各放送局の皆様に、一連の周波数移行問題に対する当連盟の考えを説明すると共に、ご理解、ご協力を要請しました。
 

第3部「FPU・ラジオマイク運用連絡懇談会」
放送局と特ラ連との意見交換を実施。その中で、広域圏内・外のFPUと特定ラジオマイクの連絡ルート・運用調整業務についての確認も行われました。特にシールド外となる局舎の外で特定ラジオマイクを運用する際には、必ず特ラ連事務局へ運用連絡票を提出して頂くよう要請しました。また、会員からは「ワイヤレスマイクの需要が高まっている」とした上でチャンネルプラン作成のコツや、メールによる運用連絡システムの開始時期について問い合わせがありました。

来賓の挨拶
総務省東海総合通信局の宮川様、野々垣様から来賓のご挨拶を受けました。宮川様からは、「ラジオマイクを使う現場の声が聞けて勉強になりました。この度の震災や水害で、無線の有効性が見直されています。」とのお話があり、野々垣様からは「放送局・会員・特ラ連事務局の運用調整を含めた日頃のご苦労や、周波数移行に関して特ラ連の立場についても理解できました。それと共に、今後も電波行政について、ご理解・ご協力をよろしくお願い致します」とのご挨拶がありました。

最後に、幹事局であります東海テレビ放送株式会社様に、会場手配などでご協力頂きましたことを御礼申し上げます。

用語解説@ FPU
 「FPU」は「Field Pickup Unit」の略称で、放送事業者(NHKの各放送局と民間放送連盟参加の放送局)が取材現場から、映像・音声等の番組素材を中継基地局(放送局)などへ無線伝送するシステムです。映像と音声を送る送信部と、それを受ける受信部から構成されています。

用語解説A FPU・ラジオマイク運用連絡協議会
 特定ラジオマイクの使用周波数帯は放送事業者用FPUと共用するため、同じ場所や近接場所で両者が同時に運用すると、障害・混信の発生する危険があります。この危険を未然に防止するため、特定ラジオマイクの運用者とFPU運用者との間で「運用協定」を結び、周波数の「運用調整」を行わなければなりません。
 しかし、特定ラジオマイクの運用者が個々にFPU運用者と連絡を取り合うことは、双方にとって大変な業務量となり、時間的な効率も非常に悪くなります。そこで、特ラ連と日本放送協会、日本民間放送連盟の3者によって設立されたのが「FPU・ラジオマイク運用連絡協議会」です。本協議会によって、運用調整連絡対応の一元化が図られています。

用語解説B 地区FPU・ラジオマイク運用連絡協議会
 「地区FPU・ラジオマイク運用連絡協議会」は、FPU・ラジオマイク運用連絡協議会の下部組織です。地区の規模に応じて広域(関東・中京・近畿)、地区(北陸・山陰・北海道)、地域(その他の県)など31に分かれています。各地区のNHK各局、民放テレビ各局と特定ラジオマイク利用者連盟の3者により、協議会の「規約」を策定して「運用協定」を結んでいます