特定ラジオマイク利用者連盟設立20周年おめでとうございます。
私は現在、NHKのニュースや番組制作の放送技術全般を統括する立場にありますが、かつて私が入局した頃と比べますと、番組作りにも様々な手法が取り入れられ、当時は予想すらできなかった新しい映像・音声表現が次々と開拓されるなど、放送の世界も大きく様変わりしてきたことを痛感いたします。
また、2011年に向けて放送のデジタル化が急ピッチで進められてきていますが、デジタル機器の進歩・発展は著しいものがあり、放送と通信の融合による新たな視聴者サービスも開始されてきております。
こうした放送の発展に、ワイヤレスマイクの進歩が果たしてきた役割は非常に大きなものがあると考えております。さらに、昨今の番組やイベントの制作形態をみますと、放送事業に関わらずワイヤレスマイクの使用頻度は飛躍的に増えてきていることを実感しております。こうした状況の中、我々放送事業者もワイヤレスマイクの使用に際して細心の注意を払い、他の番組やイベントに迷惑がかからないように努めておりますが、現在のような安定運用ができるのも、平素からの貴連盟の活動によるところが大きいと感謝しております。
A型ワイヤレスマイクが認可され早くも20年が過ぎ、現在では同時に20波を超えた運用が可能となり、電波の安定性も確保されていると聞いております。この実績はひとえに貴連盟の将来を見据えた取り組みがあったからこその成果です。
また、貴連盟主催による様々なセミナーでは、理解促進活動にとどまらず情報の共有化や人材育成にも力を入れられ、とりわけ貴連盟の発行された「私とマイクロホン」総集編は音声の仕事に携わる人、また、これから音声の仕事を志す人にとって貴重な一冊になっております。
昨今、デジタルワイヤレスマイクの開発が進み、展示会等で発表されておりますが、新しい機材の導入に際しましては、既存の設備との電波干渉のみならず雑音の軽減や音声遅延の課題などがあり、その解決に向けて、貴連盟へ寄せる期待も大きいものがあります。これまでにも増して、益々のご活躍をお祈り申し上げまして、お祝いの言葉にかえさせて頂きます。