私どもは、A型ワイヤレスマイクのことをよく「移動局」、あるいは「固定局」といいますが、電波法上は別の無線局のことで正確な言い方ではありません。特ラ連が便宜上使っている言葉です。
A型ワイヤレスマイクの免許状には、電波法により、使用する範囲を記載しなければいけません。
「移動範囲」という欄がそれです。現在、「全国」あるいは「免許人の業務区域内」のどちらかが記載されるようになっています。それぞれについて説明します。
「全国」
文字通り日本国内どこでも使えるという意味です(ただし周波数によっては特定の地域で使用できないところもあります)。
「免許人の業務区域内」
施設、ホールなど限られた業務区域、場所で使用できるという意味です。
私どもはあえて、
・「全国」=「移動局」
・「免許人の業務区域内」=「固定局」
としました。
理由は、当連盟の運用調整に関する考え方によるものです。
現在、コンサート、テレビ番組取材やロケなど全国を移動する、あるいは使用場所を変えて運用する移動局の会員からは、使用する前に運用連絡をいただいています。当然、使用日や場所などワイヤレスマイクが運用されている環境も違ってきます。近くで他のA型ワイヤレスマイクが使われているとすれば、混信の可能性がでてくるわけで、その場合こちらから、お使いになる当事者である会員、あるいは放送局に対してお知らせをし、事前に周波数の調整をするようお願いしています。電波法の主旨、および音響業務用というA型ワイヤレスマイクの位置づけから、混信等のトラブルがあってはならないからです。
固定局の会員は、例えばホールなど使用場所がはっきりしていますが、その場所に他のワイヤレスマイクが持ち込まれたり、近くで使用されるケースもあるわけで、その場合、移動局会員と同様、お互いに運用調整をするようお願いしています。
なお、劇場などを施設としている会員のなかには、「全国」と「免許人の業務区域内」それぞれの免許をお持ちのところがいくつかあります。劇場外に持ち出して使用するケースがある場合です。
移動範囲はマイクごとに決めることができるので、一会員が両方持つことは問題ありません。 ただし、「全国」で免許しているマイクを固定施設で運用するのは電波法上認められますが、「免許人の業務区域内」で免許しているマイクを全国移動して使うことは、違法になります。きちんとしたマイク管理が必要です。
(青木)
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