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 平成元年にアナログ特定ラジオマイクが誕生し、早くも20年が過ぎようとしています。
その間、ユーザーの創意工夫と、メーカーのたゆまざる努力によって有線マイクに迫る安定性、音質を実現できるまでに成長いたしました。
 今日では、放送番組制作・コンサート・ミュージカル・演劇・映画撮影等さまざまなシーンで、演出上必要不可欠なものとなっています。
 また、2009年3月にはデジタル特定ラジオマイクが法制化され、送信出力50mW、周波数も800MHzFPUの1-4CH帯すべてを使用できることになり、使用エリアの拡大・チャネル増というメリットにより、ますます利用範囲が広がると期待されます。
 しかしながら、遅延というデメリットがあるためにアナログ特定ラジオマイクの停波は行われずに、アナログ特定ラジオマイク・デジタル特定ラジオマイクとが共存するという新たな時代を迎えることとなりました。
 このような外部環境の変化の中、当連盟の「特ラ連・レポート」もおかげさまで100号を超えるまでになりました。
 その記念行事の一環として前任の技術委員長である飯田幹夫氏の、「一時代を築いたアナログ特定ラジオマイクの総覧を作成しひとつの区切りとしてはどうか」という案により、『ワイヤレスマイク総覧』は、企画実行されました。
 皆様も感じている事と思いますが、カタログは、メーカーごとに書き方が様々でスペック等も記載されているものもあればないものもあり、また、表現が様々な上に基準がまちまちで比較されるときに困惑された経験があるかと思います。
 メーカーに籍を置く者としては、メーカー各社でアピールポイントや考え方が違うためいたしかたないと弁明するしかないのですが、各社ばらばらで比較しづらいのは事実です。
 この総覧を編集するにあたり、ただ単純に各メーカーのカタログを羅列するのではなく、できるだけ同じ表現方法になるよう、また最低限必要な情報を網羅するよう工夫を行ったつもりです。
 詳しいスペックは各社のカタログに依存するしかないのですが、その前段階としての各社の比較を行う場合などのほか、一つの記録としての位置づけとして十分に価値のあるものに仕上がったと自負しております。
 先にも述べましたようにデジタル時代を迎えようとする中で、アナログ方式の製品をまとめた『ワイヤレスマイク総覧』を発刊できたことは、ひとつの区切りとして有意義なものであると考え、皆様におかれましても日常業務に追われ、お忙しいとは存じますが一度目を通していただければ幸いです。
 また、この企画は、今回だけに留まらずデジタル方式が出揃った時期など節目ごとに改訂を行っていきたいと考えておりますので、ご意見・ご要望等ありましたら遠慮なく事務局までご連絡をいただけると幸いです。
 この企画の発案者である飯田氏は、その後諸般の事情により退任され、後任である私がその意思を引き継ぐ形となりましたが、事務局及び技術委員をはじめ多くの方々の協力をいただきながら完成することができ大きな責任を果せたとほっとしております。
 最後になりましたが、編集に当たり、日々の業務でお忙しい中、資料を提供していただいたメーカーの方々及び代理店の方々に感謝申し上げます。
技術委員長  宮前 真二

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