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平成19年11月28日(水)
東京都港区青山 NHK青山荘
   テーマ (1) 「二次電池の基礎と乾電池互換型充電池について」
講師:三洋電機(株) モバイルエナジーカンパニー 
   アルカリ充電池事業部 
   トワイセル技術部 
   田所幹郎部長
 〜二次電池の音響業務において、今後どの様な可能性を持つか〜
テーマ (2) 「B型ワイヤレスマイク、デジタル化の経緯と今後の製品について」
講師:当連盟飯田幹夫技術委員長
講師:ソニーイーエムシーエス(株)
   湖西テックオーディオビジネス部 
   AP開発課 松本純也統括課長
〜実機の展示と説明〜
 先着50名の募集に対して、60名近くのご参加をいただき、会場いっぱいの受講者で盛況でした。
(1) 「二次電池の基礎と乾電池互換型充電池について」
 2007年度グッドデザイン大賞(内閣総理大臣賞)を受賞した、三洋電機(株)のエネループの特性を説明するにあたり、電池のいろいろな種類や、それらの特徴を解説していただきました。(別表1参照)
 電池の種類だけでも沢山ある事が分かりました。普段私達が最も接しているのは、化学電池の中の一次電池(使い捨て)と二次電池(充電池)です。
 正極の材質と負極の材質の両方を仲介する電解質(溶液)との化学反応によって電気エネルギーを得ている訳です。また、この材質の違いによって、得られる電圧が自然界の法則により決まってくるため乾電池が1.5V、ニッカドやニッケル水素の充電池が1.2V、鉛蓄電池が1セル2V(車のバッテリーは6セルなので12V)、リチュームの充電池が3.7Vなどになっています。
 昔、理科の実験でレモンに銅板(正極)と亜鉛板(負極)を差し込むと豆電球が点灯した事を思い出します。確かレモン果汁に含まれる水素イオンによって酸化還元反応が起こると教わった様に記憶しています。
 さて、今回は二次電池(充電池)の可能性を知ると言うことで、一次電池と二次電池のメリット、デメリットについての比較を説明していただきました。
 一次電池のメリット、入手しやすい、安価である、自己放電しにくい、
 一次電池のデメリット、使い切り、電池の処分、極寒時の性能低下、
 二次電池のメリット、再利用できる、エコロジーである、
 二次電池のデメリット、使い方が難しい、高価である、自己放電しやすい、
 そして構造上の違いは、一次電池が円筒形の正極材に棒状の負極材を差し込んだ様な形で、正負間の化学変化を起こす面積が小さいのに対して二次電池では薄い箔状の正と負の電極を重ねて巻き取り(コンデンサーに似た構造)それを、電池ケースの筒の中に入れたもので、化学変化を起こす面積が大きい事にあります。
 当然、面積の大きい方が大きな電流を取り出すことができますので長い時間、電流を必要とする機器に向いていると言えます。
 エネループの開発コンセプトとして、分類的にはニッケル水素充電池ですが、一次電池と二次電池の悪い部分を無くして良い部分を兼ね備えた物にすること。
 まず、自己放電をしにくくするための正極の自己分解をおさえる。負極の合金が電解液に溶け出しにくくする。正極と負極の間にあるセパレーターと言う仕切りを窒素化合物が両極間を行き来してしまうシャトル効果を減らす。
 その結果、満充電後2年間放置後で80%の容量をキープすることができた。高率放電特性(長持ちの度合い)を向上させ、デジタルカメラのテストにてアルカリマンガン乾電池の4.4倍長持ちし、ワイヤレスマイクのテストでは乾電池よりやや短かったものの30時間以上動作を可能。より大きな電流を要求される機器ほど、その使用が向いている様です。
 低温時の放電特性も電圧が1Vまで降下する時間が、アルカリマンガンで約50分弱の所、エネループ200分以上と極寒での使用にも向いています。
 コスト面でも1000回の繰り返し使用により充電一回につき電気代を入れても約4円程で経済的、昨今のリサイクルの精神からもゴミの低減にもつながる。今までの充電池よりもかなり高性能になっている事が分かりました。
 音響業務で電池を使用する中で最もポピュラーなものは、ワイヤレスマイクが上げられると思いますが、使用にあたって、最も重要とする信頼性の点で繰り返し使える回数の限界見極めや、繰り返し使用なので接点の腐食の進み具合、充電管理等が今後の課題なのかと思われます。
 筆者の感想は、自己放電特性がここまで改善された点が大きな進歩なのではないかと思いますし、導入を決めるポイントになるでしょう。いずれにしても、この様な製品を導入してゆく環境や考えを整備して行く必要が、我々にも有る事は間違い無いと思いました。


 別表
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