2014年5月1日 第138号  前 目次 次
周波数移行に関する情報
  • 機器
  • 「新周波数対応 特定ラジオマイク テスト会」の様子をレポート

 平成25年11月21日、浦安市文化会館(千葉県浦安市)から始まった「新周波数対応 特定ラジオマイク テスト会」は、平成26年2月21日のウインクあいち(愛知県名古屋市)を最後に好評のうちに終了しました。日本全国で行われたテスト会の様子について紹介します。
「新周波数対応 特定ラジオマイク テスト会」は、特定ラジオマイクの周波数移行に伴い、メーカ各社が製品化した新機種を一堂に集め、今まで以上の高度な運用にも対応できるか確認することを目的としたものです。一般社団法人700MHz利用推進協会、特定ラジオマイク利用者連盟、一般社団法人日本舞台音響家協会が主催し実施されました。
 当日、会場内のロビーにはメーカー各社のブースを設けて新製品を展示。一方、舞台上ではメーカー各社による新製品のプレゼンテーションとマイクテストが行われました。メーカー各々の持ち時間は50分となっており、マイクテストの方法は以下のとおりです。

30名以上によるマルチ運用をテスト

 今回はミュージカル等での運用を意識して、ベルトパックの特定ラジオマイクをソリスト2名とコーラス30名にそれぞれ装着、マルチチャンネルテストを行いました。演者が舞台上はもちろん、袖中や客席内を隅々まで移動して、問題なく運用できるかどうかを確認。また、ハンドヘルドに関しては、ソリスト2名によるオンマイクを意識した「ア・パ・サ」母音・破裂音・子音と「パーカッション」のパルス音、そして「歌」という流れでテストが行われました。
 今回行われたテスト会の来場者数は、下記の5会場で延べ約1,600名でした。

平成25年11月21日 千葉県・浦安市文化会館 350名
平成26年2月11日 福岡県・福岡市民会館 187名
平成26年2月13日 兵庫県・兵庫県立芸術文化センター 287名
平成26年2月18日 東京都・北とぴあ 583名
平成26年2月21日 愛知県・ウインクあいち 190名





新周波数対応 特定ラジオマイク テスト会 全国5か所で追加開催決定!
 会場内でとられたアンケートを通して寄せられたご要望にお応えして、さらに全国5か所での追加開催が決定しました。開催される場所と内容は下記の通りです。

<追加開催>
新周波数対応 特定ラジオマイク テスト会

開催場所
平成26年5月22日 宮城県・仙台市泉文化創造センター 大ホール
平成26年5月27日 香川県・アルファあなぶきホール 大ホール
平成26年5月29日 広島県・アステールプラザ 大ホール
平成26年6月2日 北海道・札幌市民ホール 大ホール
平成26年6月5日 富山県・富山県教育文化会館ホール
※開催時間は、いずれの会場も10:00~18:00です。

テスト会内容
●新製品の展示と試聴
●メーカーによる新製品のプレゼンテーション&質疑応答
●音質テスト 基準ワイヤードマイクと新製品との聞き比べ(男女ヴォーカル)
●伝搬テスト TVホワイトスペース帯・1.2GHz帯の伝搬デモ 
●周波数移行に関する説明
●運用調整に関する説明
 ご参加は無料ですが、Web事前登録をお願いしています。
 詳しくは、一般社団法人700MHz利用推進協会のWebサイトをご覧下さい。

 一般社団法人700MHz利用推進協会  www.700afp.jp/

 皆様のお越しをお待ち申し上げます。
  • 運用調整
  • テスト会アンケートに寄せられた質問にお答えします
「新周波数対応 特定ラジオマイク テスト会」では、参加された方からアンケートを頂きました。そこには「今後の運用調整はどうなるの?」といった、新周波数帯への質問や疑問が多く寄せられていました。そこで「特ラ機構」事務局が、それらの質問にお答えします。
Q1 新周波数帯の運用調整はどうなる?
A1  新周波数帯へ移行しても、特定ラジオマイクの運用調整については、引き続き「特ラ機構(旧特ラ連)」が行っていきます。
従来と大きく変わることはありませんが、できるだけ公開できる資料は、会員の皆様にも閲覧できるようにしたいと考えています。
 各周波数帯ごとの運用調整に係わる特徴を紹介します。
  •  ホワイトスペース帯(470~710MHz)
     ホワイトスペース帯は、他システムと周波数を共用するという特徴があり、運用に関しては以下のように優先順位があります。
    • 1位 地上デジタルテレビ放送
    • 2位 特定ラジオマイク
    • 3位 エリア放送
     また、ホワイトスペース帯では、その周波数範囲内において、自由に電波を出して運用することはできません。総務省が公開している『特定ラジオマイクのTVホワイトスペースチャネルリスト』に沿って運用する必要があります。これは、優先順位の高い地上デジタルテレビ放送に干渉・障害等を与えてはならないため、事前に混信・障害を与えないことが確認できている場所やチャンネルが網羅されたこのリストに従う必要があるというわけです。  また、運用調整については、以下のように2つの組織が対応します。
    • ・特定ラジオマイク⇔特定ラジオマイク
    • →「特ラ機構」が対応
    • ・特定ラジオマイク⇔地上デジタルテレビ放送
    •  特定ラジオマイク⇔エリア放送、新システム
    • →「TVホワイトスペース利用システム運用調整協議会」が対応
     なお、2つの組織が存在しますが、「特ラ機構」が「TVホワイトスペース等利用システム運用調整協議会」の会員となりますので、会員の皆様が改めて協議会の会員となる必要はありません。
  •  710~714MHz帯
     特定ラジオマイクの専用周波数となります。ホワイトスペース帯のような“縛り”はなく、日本全国どこでも自由に運用することが可能です。運用調整については、特定ラジオマイク同士のみが必要となり、「特ラ機構」が行います。  なお、地上デジタルテレビ放送で52chを使用している地域では、混信防止のガードバントとして710~711MHzは使用できません。
  •  1.24~1.26GHz帯(1.252~1.253GHzを除く)
     特定ラジオマイクとFPU、さらに各種レーダーと共用になります。710~714MHz帯と同じく、どこでも自由に運用することが可能です。運用調整は、特定ラジオマイク相互間とFPUとの間で行います。従来の700MHz帯と同様に、「特ラ機構」と「放送事業者」が連携をとりながら対応していきます。
Q2 新周波数帯機器の運用方法を教えてほしい
A2  残念ながら「特ラ機構」も実際に新周波数帯を運用した経験は持っておりません。新機器が揃った段階で、技術委員会を中心に新周波数帯での上手な機器の運用方法について模索していきたいと考えています。
Q3 チャネルリスト等の資料がほしい
A3  地上デジタルテレビ放送の混信保護が目的の『特定ラジオマイクのTVホワイトスペースチャネルリスト』は、総務省の以下のWebサイトで確認することができます。
総務省「電波利用ホームページ」 www.tele.soumu.go.jp/
(トップページ→「資料集」→「18.特定ラジオマイクのTVホワイトスペースチャネルリスト」)
 詳しくは総務省へ確認して下さい。また、「特ラ機構」としてもチャネルリストを熟知する必要があり、運用調整体制を整えつつも、リストに関する勉強会も開いていきたいと考えています。
Q4 運用調整に関する体制は整っていますか?
A4  特定ラジオマイク同士については、新周波数帯のすべてにおいて、「特ラ機構」が運用調整を既に行っています。会員の皆様にとっては、従来と基本的には変わりありません。また、運用調整システムの高度化も計っております。
 ただし、エリア放送などとの運用調整については、「TVホワイトスペース等利用システム運用調整協議会」が対応することになりますので、詳細はこれから決まるものと思われます。「特ラ機構」としては、従来の延長上で運用調整が可能と考えています。
Q5 新周波数帯について説明不足なのでは?
A5  旧連盟としては、これまで『特ラ連レポート』などを通して新周波数帯について紹介しています。今後も本レポートや「特ラ機構」Webサイトを活用して、さらに分かりやすく新周波数帯について紹介したいと考えています。
Q6 チャネルリストに掲載のない場所でホワイトスペース帯を運用してはダメですか?
A6  不法または違法な電波を送信したことになり、電波法違反として罰金、懲役などの処罰を受ける可能性があります。ホワイトスペース帯では、同じ周波数帯を使う異なったシステムのユーザー同士が、支障が起きないよう上手に運用していかなければなりません。違反となる運用は絶対にやめて下さい。
Q7 運用調整費などは今後どうなる?
A7  平成25年度末現在、「TVホワイトスペース等利用システム運用調整協議会」関連の費用など各種条件が見えず、暫定として平成26年度の予算は平成25年度を引き継ぐことになりました。これを受けて、平成26年度の年会費や運用調整費などにつきましても従来どおりとなります。
 平成27年度以降は、会員の皆様の負担を少しでも小さくできるよう費用の設定を考えてまいります。
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