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 2月6日(火)13:30〜16:30 東京グリーンパレスに於いて電波の安全性に関する講演会が開催され出席させていただいた。主催は、総務省関東総合通信局および社団法人電波産業会。行政、生体および医学的な見地からそれぞれご説明いただき、きわめて有意義だった。その中から以下の3点、
  (1)電波の安全性に関する国際動向
  (2)電波が人体に与える影響
  (3)電波が医療機器に与える影響
について報告します。
(1) 電波が自然界を含め、生体に及ぼす影響については50年ほど前から研究されているが、携帯電話および電子機器、通信装置の普及拡大にともない、世界保健機関(WHO)は国際電磁界プロジェクトを発足させた。日本および諸外国は、国際がん研究機関(IARC)や、国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)と連携をとり、環境保健基準として取りまとめるべく研究を行っている。

(2) 総務省は、安全かつ安心して電波を利用するために電波防護指針を定め、無線局を開設する際、電波防護規制を遵守するよう求めている。例えば放送局や携帯電話基地局など発射される電波の強さが基準値を超える場所がある場合には、柵などを施設し一般の人が出入りできないよう義務付けている。生体電磁環境研究推進委員会(医学・工学の研究者により構成)は電波が人体に与える影響について調査、実験を行っているが、中間報告として、現時点では、この電波防護指針に示される基準値を超えない強さの電波が、健康に悪影響を及ぼすという確固たる証拠は認められないとしている。おりしも、この1月に携帯電話3社は、基地局から発信される電波の生体に与える影響について、遺伝子や細胞学的立場から4年以上におよぶ実験を行った結果、人体への影響は確認できないとする見解を示した。
なお、携帯電話端末のように頭のそばで使用する無線局も防護指針の対象になっているが、販売されているものは全て適合している。特定ラジオマイクは、移動する無線局であるため防護指針適用除外となっている。
 生体電磁環境に関する情報は
    http://www.tele.soumu.go.jp/i/ele/body/index.htm

(3) 携帯電話等の電波が医療機器に与える影響については、平成9年3月に、不要電波問題対策協議会(現在の電波環境協議会)が、各種調査に基づき「医用電気機器への電波の影響を防止するための携帯電話端末等の使用に関する指針」を公表した。
 その後、総務省は、平成12年度から17年度において携帯電話端末を含む各種電波利用機器、具体的には
 @携帯電話端末及びPHS端末、
 Aワイヤレスカード(非接触ICカードシステム)、
 B電子商品監視(EAS)機器、
 CRFID(電子タグ)機器、
 D無線LAN機器の電波が植え込み型医療機器(ペースメーカーなど)へ及ぼす影響について継続的に調査し、「各種電波利用機器の電波が植え込み型医療機器へ及ぼす影響を防止するための指針」を取りまとめ公表(平成17年8月制定、翌18年5月現行化)した。内容については総務省 電波利用ホームページで確認いただきたいが、影響の防止に努めるため、装着者に対してはこの指針や情報を参考にして、また電波利用機器や植込み型医療機器の製造者等は、必要以上に強い電波を発射しない機器の開発・製造するよう呼びかけている。
 詳しい内容については、総務省電波利用HP
    http://www.tele.soumu.go.jp
青 木
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