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1.A&Vフェスタ2004 「視聴」
主  催: 社団法人 日本オーディオ協会、後援:経済産業省、文部科学省、横浜市 ほか
開催期間: 2004年9月22日(水)〜25日(土)4日間
開催場所: パシフィコ横浜展示ホール 1Fホール、2F、M2F
入 場 料: 無料
 A&Vフェスタは昨年から映像関連メーカーも増加し、オーディオフェアからA&Vフェスタと名称を変更。'03年は楽器フェアと同時開催でしたが、今年は単独開催でした。
 広い会場をつぶさに見てまわりましたが、カーAVも昨年に比べると出展社が増加していました。オーディオでは海外製品もいくつかありましたが、特別高価なものは国内外とも少ないようでした。このフェアは、A&Vフェスタというネーミングのように客層もごく一般的であり、オーディオマニアには物足りないかも知れませんが、妥当なところかと思います。NHKが中規模スタジオの汎用モニターとしていた三菱の「2S-3003」(それ以前は有名な2S-305)が平成13年に生産中止となり、その後続機として採用されたフォステクスの3wayスピーカRS-N2が展示され、それをベースとしたRS-2を聞く機会がありました。会場のデモ機にはスーパートゥイターが追加されていましたが、音はまさにモニター的で85dBくらいで音作りするには最適のものと思います(詳しくはプロサウンド10月号、無線と実験11月号参照)。
 小さなものですが、バンダイの「リトルジャマー・ミーツ・ケンウッド」は、ジャズの音に合わせて小さな人形が演奏のまねをするという、遊び心のある製品。コントロールボックスの10cmのスピーカからは全体の演奏が流れ、それぞれの人形の台座に5cmのスピーカが内臓されていて、各楽器ごとにチューニングされた音がその台座から出ると、その音にシンクロして人形が演奏のまねをするわけです。ユーモラスな動きにけっこう人気がありました。それにお値段が安い。再生には専用のROMカートリッジを使用します。

2.第10回真空管オーディオフェア
主  催: クラフトオーディオ協議会 後  援: (社)日本オーディオ協会他
開催期間: 2004年9月25日(土)、26日(日) 開催場所: 秋葉原「損保会館」
入 場 料: 無料
 10回目の真空管オ−ディオフェアは、昨年同様、秋葉原の昌平橋そば、損保会館で開催されました。相変わらず真空管アンプの人気は高く、高価なものから手ごろな価格のものまでたっぷり見ることができました。このフェアにはどちらかと云うと自作を楽しむ人たちが集まるようです。真空管、抵抗、コンデンサ、トランス、シャーシー、ワイヤーなども即売されていて、地方から来た人たちにはまたとない機会でしょう。昨年はアジアンアンプが沢山出品されていましたが、今年は台湾のメガテックオーディオ1社のみでした。この会社のアンプの配線には24金のワイヤーが使用されているそうです。
 出展されているアンプやスピーカはかなり個性的で、係りの人たちとの話からそれぞれ製作ポリシーをうかがうことが出来ました。出展各社に間仕切りがないためお互いに構えたところがなく、気楽に話しが出来るところが受けているようです。アメリカの中古部品も販売されており、人だかりがすごい。ウェスターンやスプラグ、UTCなどの自作派垂涎のパーツは相変わらず人気があります。真空管は中国製が多く、価格も安い。他にフィリップス、テレフンケン、シーメンス、RCA、GE、シルバニア、ブライマー、などなど。自作派らしい人たちが、それらの中から価格の安い人気のないものを集めていました。
 雑誌等に製作記事を書かれている、その道では有名な方々の製作されたアンプも聞けるのがこのフェアの特徴でもあります。

3.2004東京インターナショナルオーディオショウ
主  催: 輸入オーディオ協会(SOCAD) 開催期間: 2004年9月24日(金)〜26日(日)
開催場所: 東京国際フォーラム ガラス棟 4F、5F、6F/D棟 4F、5F、6F
入 場 料: 無料
 海外の高級オーディオ製品を輸入、販売している会社のほとんどが参加しているオーディオショウです。国内メーカーも数社参加していました。
 このショウの特徴は国内外の高級品が一堂に会していることです。雑誌などで知った高級アンプ、スピーカが一度に聞けるというのはこれ以外、チャンスはないかも知れません。もう一つの特徴は、オーディオ評論家のほとんどが集まるイベントであり、その人達が解説してくれる、ということです。入場している客層は真空管オーディオフェアとはだいぶ違います。
 アンプではナグラ(録音機ではありません)、ジェフローランド、DACではコード、スピーカはアヴァンギャルド、ジャーマン・フィジックス等、一般のオーディオファンにはちょっと手の出ない高級品です。昨年、聞き逃したアヴァンギャルドを今年は聞くことが出来ました。これは受注生産で、ワンセット18,000,000円。お値段でびっくり、音を聞いてまたびっくりでした。まず今までの通念では語れない音で、高いから当たり前と言ってしまえばそれまでで、品位がまるで違う音でした。
 近年高級スピーカは、いままでの四角いスピーカ然としたルックスから、かなり変化してきています。まさに前衛的なアヴァンギャルド、無指向性スピーカのジャーマン・フィジックスなど。これらはいずれもドイツの製品であること。精緻な作り、そして音楽再生を追及してこのようなデザインに行きついたということ。ドイツのクラフツマンシップの健在を確認すると、つい日本の製品の軽さが気になってしかたがありません。またイギリスの斬新なデザインのアンプやプレーヤーを見ると、中身も充実していることの確かさ。そして長年親しんだLPに対しての製品開発を続けている理由。その理由はメーカーと音楽ファンが一体となって文化を支えている図からきているようです。日本の技術革新に難癖をつけるつもりはありませんが、ユーザーあってのメーカーであることを十分考える必要がありそうです。

4.HI-END SHOW   TOKYO 2004
主  催: ハイエンドショウ2004実行委員会 後  援: (社)日本オーディオ協会他
開催期間: 2004年9月24日(金)〜26日(日) 開催場所: 有楽町 東京交通会館
入 場 料: 無料
 会場は、真空管オーディオフェアと同じように、各出展社の間仕切りはなく、アットホームな雰囲気でけっこう楽しめました。また、CDなどのソフトや書籍が大量に即売されているのは、このフェアの特徴でしょう。レコード店ではあまり見かけないCDが沢山ありました。雑誌等で紹介されて気になっていた、理論派、クボテック(株)の久保田哲夫社長設計のよるHANIWA(ハニワ)を聴くのが楽しみでしたが、タイミング悪く聴くことが出来ませんでした。これは、スピーカだけではなく、パソコンを使った音場創生システムソフト、デジタルアンプとの組み合わせで再生されるもの。なんともユーモラスなデザインです。客層は真空管オーディオフェアと似通っており、自作派らしい人たちも大勢いました。真空管アンプも数多く出展され、いま話題のACコネクタやスピーカユニット、ケーブル、スピーカ修理についてなど、業者との熱心な会話があちこちで聞かれました。この会場で再生されているアンプ、スピーカなどは大手メーカーとは一味違う音質で個性的です。入場者も一家言もった人たちが多いようでした。
 
 今回、四ヶ所の様々なスタイルのフェアを体験しました。それぞれが個性的で、大抵のオーディオファンは満足するのではないでしょうか。各会場でいろいろな音を聞きました。そこで感じたことは、今のCDも捨てたものではない、ということです。SACD、DVDオーディオもけっこうですが、CDを1点豪華ではなくトータルバランスのとれたセットで聞きますと、素晴らしい音楽を聞かせてくれます。オーディオ文化というものを確かなものにするには、オーディオファンが世界的にみても多い日本においては、ユーザーとメーカーが一体となって共存するための姿勢が今こそ必要に思えます。         大野 

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