(協) 日本映画・テレビ録音協会 岩田 廣一氏
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 月22日「(協)日本映画・テレビ録音協会」の新年会に出席させていただきました。その時の理事長、岩田廣一氏のご挨拶の中に、最近の映画に関する新しい情報がありましたのでその一部をご紹介いたします。
(大野)


 昨年の映画業界を見ますと「千と千尋の神隠し」が7月20日から11月10日までの114日間で全国動員2,015万2,422人、タイタニックの1,680万人を凌駕し、興収でもタイタニックの260億円に対して260億9,841万円と日本新記録を更新中で、日本映画の歴代トップの成績となった。日本の最高といわれるオリンピックの記録映画も映画教室1,180万、劇場770万人で1,950万人、これおも破ったことになる。
 一昨年の興収ベストテン10本の合計が242億円なので、一本でそれを凌駕した大変なヒットである。
 今年の映画入場者数は、まだ最終的な数字の集計は出ていないが、前年比118%の1億6,000万人、興収約2,000億円これは歴代の新記録である。そのうち邦画が前年比138%、洋画が107%と予測されている。1昨年大きく増えた映画館は、昨年も単独館の閉館もあったが、シネコンの増加で60スクーリン増となって、全国で2,584スクリーンになると予想されている。
 一方、昨年末の統計によると、2000年のアメリカの映画界は、観客動員数14億2,000万人過去10年間で19%の伸びを示しているが、スクリーン数は58%も増加して37,000スクリーン。しかし1スクリーン当たりの観客動員数は大幅に減少している。加えて20スクリーン以上のメガプレックスが増え、スクリーン数の少ないシネコンは次々と倒産している。今年の9ヶ月だけで、一ヶ月に150スクリーンずつ減少している。しかし、スクリーン数が32,000位になれば、映画がほかの娯楽に比べて安価であるということで期待されている。因みにメジャーリーグは30〜50ドル、ロックコンサート60〜100ドル、テーマパーク50ドル、映画5ドル39セント。これで2時間遠くへ行かずに駐車場もただで楽しめる。事実今年のテロ事件以降は、8%伸びて80億ドル9,800億円を突破し歴代最高記録になるといわれている。
 放送業界は、一昨年12月BS放送が始まったが、ご祝儀相場で4ヶ月ほどはスポンサーがついて良かったようだが、以後は苦しい状況が続いているようである。受像機も1,000日1,000万台と触れ込んでいたが、その売れ行きは、12月が12万台と最高で、以降最低1万台にまで落ち込んで、やっと10月になって5万台に持ち直して787,000台となった。この分では残す1年7ヶ月で1,000万台達成は無理であろう。また内訳を見ると60%がチューナーでハイビジョンは40%である。
 今年はBSと同じ東経110度よりCS(通信衛星)から放送が始まり、来年には、地上波もデジタル放送になるといわれているが、デジタル放送にするにはアナアナ変更といって周波数を変更しないと混信・妨害が出る所帯が出てしまう。政府はそのために727億円を計上していたが、最近の調査で、436万所帯2,000億以上掛かる。すなわち3倍以上の経費が掛かることがわかった。CS(通信衛星)は、右偏頗面(みぎへんぱめん)しか使用していないので、左偏頗面を使用して全国127局からサイマル映像をおくったらと言う意見もあるようで、どの様になるかはこれからである。完成した暁には260のチャンネルから放送電波が流れるが見る人は一日3.5時間から4時間程度。見て頂くためには、視聴率の取れる作品を作る事が我々に与えられた大事な使命である。又、その放送に必要なコンテンツの数たるや莫大である。出来る限り短時間で処理し制作費の低減を図る。それには、日々開発される機器を如何に早く理解しオペレート出来るかに掛かっている。
 映画もデジタルシネマになり、1,000の走査線ではアクションだのCGのためには良いが、情景など静かな画面にはフイルムに劣るので現在2,000の走査線の映像を研究している。画素数で200万画素が4倍の800万画素となり解像度が良くなる。5年ぐらい後にはそんなキャメラが出ると言われている。機械は日々進歩している。我々の技術もそれについて行かなければならない。                                   
 
以上