マキノ正博(雅弘)という早撮りの映画監督がいて、数々の面白い時代劇を見せてくれました。マキノと双璧をなす早撮りの渡辺邦男監督は一週間で一本作ったそうです。
マキノ正博の「映画渡世・天の巻」によると、藤田進がマイク係だったころ、見えないように土の中にマイクをかくしたんですが、それを見たアラカン(嵐寛寿郎)が、こんなもので音がとれるか、とけとばしたそうで、くやしがる藤田進をマキノは、くやしかったらお前も役者になって見返してやれ、と元気づけたそうです。それで東宝の役者になった藤田進は黒澤明の姿三四郎の主役に抜擢されすっかり有名になりました。人間なにがキッカケになるか分かりません。 |
大野 |
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