|
オーディオフェアからオーディオエキスポに改称して3回目である。 今回のテーマは「未来ハ、ココダ……音と映像の新世紀」。 テーマに「映像」の二文字がついた。2日目の17日はあいにくの雨だったが入りはよかった。イベントやセミナーがたっぷりあり、見てまわるだけでなくお客さんにどんどん参加してもらおう、という趣旨のようである。 それとオーディオファイルがオーディオ評論家たちと接することの出来る年一度のお祭りであり、各イベント会場では熱心な質疑応答がなされていた。 3日間、手作りオーディオマニア向けのイベント(スピーカ工作教室)が用意されていて人気を集めていたが、これは参加費無料で自分で作った小型スピーカを持ち帰ることが出来る仕組みだ。 一昨年の重量級カーオーディオに驚いたが、今年はさらにDVDカーシアターが加わった。カーライフも本格化したようだ。 オーディオ我楽多市には、秋葉原リサイクルセンターからの大量の展示即売品が並び、懐かしい真空管,6ZP1や12A、2A3、6V6、などが山をなし、自作派垂涎の的のUTCやピアレスのPTやOPTに人気があった。 年々真空管アンプの展示が多くなってきているようだ。 真空管アンプは各社、デザインに重点をおいているようであり、値段の開きが大きい。真空管やトランスなどのパーツ類の価格差、シャーシーの作りの差であろう。ロシアや中国の真空管はアメリカやドイツ製に比べて驚くほど安い。出展社のオーナーに聞くと、楽器用に使われているかぎり真空管はなくならないでしょう、とのこと。 かと思うと、ソニーのウオークマンがさらに小さくなり、いよいよテープ、ディスクレス時代に入ったか。電子配信サービスからコンピュータに取り込んだ音源をフラッシュメモリー内蔵器に転送して楽しむというやり方。そしてSACDやDVDオーディオ等の最新機器と、オーディオの歴史を知ることが出来る内容だった。 しばらく鳴りをひそめていた或る中堅メーカーが、CD再生システムを出展していた。たいへんスッキリしたグッドデザインであるが、どこかで見た記憶があり、しばらくして思い出したが、北欧の或る著名なメーカーの製品に酷似していた。値段はこちらのほうがはるかに安い。良い音をしていたが、しかしなんとなく残念であった。 このエキスポの全体を通して感じたことは、なんとなくゴッタ煮のような印象を受けた。オーディオの世界が混迷期にあるように感じられる。 (大野) |