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| ◇ 井野 金森 井野 司会 金森 町山 金森 |
ワイヤレスマイクの現状 自己紹介もかねて NHKの井野です。 NHK放送センタ−はスタジオがいっぱいあるんで、チャンネルプランは両隣、上下のスタジオは全て固定してあります。スタジオ内だけで扉が閉まっていればほとんど大丈夫なんですが、扉を開けますと、波長が短いものですからどんどん出ていってしまう。それとうちみたいに出演者がいっぱいいて、やっかいなことは送信機をつけたままスタジオから出て外を平気で歩きまわってしまう(笑い)。ちゃんとマイクを返してからトイレへ行ってくれればいいんですが、そんなことをされると両隣のスタジオへ影響がありますし、全て固定できめてありますので。 NHKのセンタ−でもトラブルはあるんですね。 ![]() 多いですよ。細かく話しますと、NHKの関係者だけで仕事をしている場合と、よそからスタジオへ来てリハ−サルをやる、ということが一時ありまして、管理しきれないことから生放送にトラブルが発生したこともあります。やはり所帯が大きいですからいろいろありますね。 先程から40MHz や100MHzの話がでていましたが、私も最初は40MHz を使っていました。放送ですからいろいろな局面でいろいろ波、いろいろなパワ−のものを使っています。しかし、金森さんのところみたいに20波、30波使うということはほとんどないですね。ただ、距離の問題ですね。100m飛ばしたいとか、200m近く飛ばさなければならない、とかいろいろやってきていたんですが、まあ40MHzHzが一番使いやすく安定していましたので、800MHzが出た当初、周波数の高い分こわいんですね。安定性がどこまでとれるか。当時、電波の飛びは800MHzのほうが良かったんで、どっちにするかという時は400MHzを使っていました。 しかし、番組に作り方も変わり、チャンネル数も増えてきて400MHzも波がなくなってきた、ということで800MHzを使わざるをえない。でも800MHzにしても受信機がだいぶ良くなってきてかぶりとか、「とび」は少しづつ改善されてきてうれしいことで……。受信機にしろ、送信機にしろ、アンテナの状態で「とび」がまったく変わってしまうものですから、送信機のアンテナは仕込みになりますとそんなに細工は出来ないし、受信機のアンテナは相当気を使ってやっていますが、実際どういう状態でアンテナが受けてフィ−ダ−を通して受信機に入っているのか、分からなくてね。受信機のメ−タ−を見て、電界を振れた、振れない、としか実際的には判断出来なくて、実際それがきちんとした状態で来ているのか、どっかの反射をもらってレベルは振れているけど……ということなのか、なかなか難しく、そこは経験でやるしかないんですが。 受信機のことが出ましたが、以前に比べて800MHzのものは良くなっているんですか。 性能というか、機材としては良くなっていますね。ただこれはメ−カ−の技術によって左右される部分があります。特に圧縮とスプリアスの強度はメ−カ−によってまちまちなんで一概には言えないんですが。40MHz の頃に比べれば良いですね。 800MHzになって海外製品が入ってくるようになり、日本のメ−カ−も影響を受けて以前に比べたら格段の違いですね。800MHzになって指向性がとれるようになり、八木アンテナなどが有効的に使えるようになった、ということもあると思いますが。 多チャンネルになって、更にイヤ−・モニタ−用ラジオマイクなども入ってくると、近接の場合は指向性アンテナの方向へもっていかないと……。ブロ−ドウェイなど何十年前の劇場が壁同志でくっついて並んでいるわけですよ。ところが20何波、30何波、今はもう40波の時代に入っているわけで、まったく問題がないわけではなく、全部指向性アンテナを使って劇場同志で話し合って……若干周波数の調整はしていますけど、そのような事情から、だんだんそういう方向へいくしかないと思います。 |