特ラ連発足10周年を祝す


日本放送協会 放送技術局

     局長 近藤 達彦

 特定ラジオマイク利用者連盟設立10周年記念おめでとうございます。
 私は現在、番組制作から送出に至る一連の放送技術現業に携わっておりますが、昨今のデジタル技術、コンピュータ技術の進展には目を見張る思いがいたします。
 NHKに入局した昭和40年代はまだ真空管の時代であり、マイクといえばケーブルが対の物というのがその当時の常識でしたが、以来30有余年,IC高集積回路技術の進歩によりマイクに送信機を組み込むことが当たり前となり、今や業務用のみならず市販のマイクもほとんどワイヤレスという、その当時から考えれば正に夢のような時代となり、隔世の感がいたしております。
 放送事業者も昨今のワイヤレスマイク使用はスタジオ、中継、ロケを問わず激増しており今後もこの傾向は多くなっても少なくなることはないかと思われます。
 その結果限られた周波数の中で共に譲り合ってよりよい番組、作品づくりにして行きたいと思います。現場同士ではどうしても良し悪しは別として自我が優先して調整し難いのが現実です。この難しい現実をものの見事に掌握して調整して10年、この努力には頭の下がる思いがいたします。
 800メガ帯は当初放送局のFPUで使用していた部分を業界全体の音声で使用すると言うことに始まり、関連する業界の理解により、貴連盟の礎が出来たと聞いております。
 この関係する業界を横につないで、すばらしい調整機能を更に発揮して頂き、来る21世紀を迎えてもらいたいと思います。
 また、その間に業界の人材育成という立場でセミナーも開かれ、盛況であったと聞いております。出版にも心を砕かれて、「ワイヤレスマイクハンドブック」はこの業界のバイブル的な存在になりつつあります。この様な地道な努力で10年にして、この業界の先導的役割を十分に発揮されているものと思います。
 イヤー・モニター用ラジオマイク等についても積極的に答申されて認可も間もないと言うことなど将来を見据えて活動され、実績を積まれており、今後ますます発展して行かれますようにお祈り申し上げます。

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