- 1.初めに
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・現行の調整機関である特定ラジオマイク利用者連盟(以下、略して特ラ連とする)の役割・業務内容について、概要説明する。
現行では、放送局のFPUの周波数帯を共用しているので運用協定を締結して、共に障害を避けてFPUとともに共存共栄し周波数の資源有効活用をしてきた。
障害・干渉の防止のためFPU担当者、特定ラジオマイク運用者から、運用に当たっては事前に必ず連絡表を提出してもらい、混信・障害の恐れがある時は調整表を発行して、担当者間で打合せをして混信・障害を未然に防止している。
全国の何処でも、使用目的、運用期間と時間、運用者の氏名・連絡先、特定ラジオマイクの種類、周波数の帯域、使用本数等が、特定ラジオマイク利用者連盟で完全に掌握されている。(日本国内の全ての特定ラジオマイクは全国約2万本のみで特ラ連会員が約1万2千本、放送局が約8千本で会員は完全に掌握されていますが、放送局は局外で使用する時は連絡表をいただいて特ラ連で調整している)
この様な作業をすることで狭い国土の中、電波障害を未然に防止する世界でも類を見ない、周波数の資源有効活用を特ラ連の下で20年余かけて実施してきた。
(詳細は別紙参考資料にまとめる)
この運用面、技術面、利便性などが移行に伴って、その条件が低下すれば、現行のままと言うことも起こりえる。
- 2.新しい運用調整の仕組みの具体的な提案(表−1)
- ホワイトスペース推進会議 共用検討ワーキンググループ(第6回)の会合で、「運用調整の仕組みを考える」事でご承認を受けたのをMS下に提案をしたい。
運用調整を置く方法
現行(特ラ連)に近い形でフォローする。(会員が熟知している基本をベースに考えたい)
- 全国の潜在電界強度と固定で使用する周波数のデータバンク化によるシステム化
全国各放送局の置局電界強度と周波数、新システムの固定的運用局の電界強度と周波数、現会員の固定運用局の電界強度を全てデータバンク化してコンピューターに保存し、システム化する。
- 運用連絡表の作成
現会員と放送局そして新システムで場所を移動する移動局は現行通り、発射する電波の出力・周波数帯域・時間・場所・担当者名等を記入した連絡表を提出する。固定局は24時間決められた周波数で運用していると見なす。
- 混信・障害の有無の自動処理化
受け取った調整機関でコンピュータ処理により、電波を出したい連絡表提出者の位置で、その地域で固定的に使用されていて混信・障害の危険のある周波 数を連絡表提出者にお知らせする。
- 調整連絡表の送付
移動局同士の周波数調整は同じ地域で使用する事になれば、調整連絡表を発行して、移動局の運用者に知らせる。この調整連絡表をもってお互いに連絡を取り、障害を回避する。
- 調整機関の構成
・法人化して、放送局、特ラ連、ホワイトスペースのエリア型システムを含む新システム関係者の3者で運用する。
・運営経費は一義的に電波利用料からとしたい。
- システムを変更する経費と調整機関の運用経費
現行の運用システムから新しいシステムに変更する為の開発・変更は移転補償費からとしたい。更に、運用調整業務を運用するための経費も電波利用料からとして欲しい。
(注:連絡表からコンピューター処理そして調整連絡表までの系は全てネット処理を考える)
- 3.ホワイトスペース運用者認定制度(仮称)
- ホワイトスペースという幅広い周波数帯域を運用することになるので、運用者自身が電波に対する、基本的な知識を持たないと混信・障害の未然防止に成らない。 そのためにはホワイトスペース運用者認定制度(仮称)を制定して、電波法の徹底を図り安心・安定の運用と限りある周波数資源の活用を円滑にしたい。
- 4.無線局免許の一本化
- 現行では放送局用と一般の音響用で免許申請先が違うが、ホワイトスペースになったことで、この免許のあり方は変わるのか、変わらないならば一本化して欲しい。提案としては、使用する周波数を管理する放送技術課に一本化して欲しい。
- その後の課題
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- 放送局も会員として参加する。
FPU時は放送局用のFPUの波を使用させて貰ったが、今回は移行でラジオマイクには放送局も会員もないので、同じジャンルで対応したい。
- 総務省の外郭として存在させたい。権限のない調整は混乱を起こす。
- 携帯のGPS機能を応用し、運用調整システム構築して、総務省で言うユビキタス時代に備えたい。
表1 構成図