明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
特定ラジオマイク利用者連盟も昨年20周年を迎えることが出来ました。これもひとえに会員の皆様と我々を支持してくださる諸団体の皆様のお蔭あってのことと感謝いたします。
さて昨年はデジタル化を見据えてFPUとの共用枠が従来の2、4chに加えて全チャンネルに拡がりました。将に朗報でした。これで永年の希望であった多チャンネルが実現、デジタル化にも拍車がかかると大喜びしたものでした。ここまでの道程を一寸振りかえらせてください。
ワイヤレスマイクが舞台に登場したのは50年ほど前になりますが、ワイヤレス(マイクコードレス)が実現すれば舞台や撮影現場ではもっと演技者が自由に動くことが出来るのにとかセリフの自然さがもっとスムーズに録れるようになる筈だという、願望に近いものがありました。当時のワイヤレスマイクは性能的にも品質的にも問題はありましたが、担当者はそれこそ騙し騙し、労わる様にして使いつつそれこそメーカーと一体になって育ててきた自負があります。
当連盟の発足以前ワイヤレスマイクはこの様にほとんど「玩具」の扱いでしたし、出力で云えば“微弱”の範囲内で、専用を認められているのは40MHz帯と50MHz帯の一部だけでした。登場した当座はこの範囲であってもマイクコードから解放されることは放送取材に限らず舞台、イベントなどあらゆる面での要望でした。
ノイズや混信に悩まされながら、役者の動きを自由に闊達にすることが出来るのか、そして新しい舞台芸術が生まれるのかが関係者一同ワイヤレスマイクにかける想いでした。新機種と新周波数帯の提案が当時の郵政省からありました。今までの50MHz帯から800MHz帯に移って欲しいと云う提案です。メーカーはそれぞれ対応する機種の試作を終え、音色、周波数特性、安定性、電池の問題、その他すべて格段に進歩しているとのことでした。
丁度劇場としても多チャンネル、高品質の要望に応えつつ新規需要を検討しなければならない時期にありましたし、複雑化する音響機器のシステム化に対応するには「移動」業者との協力も必要になります。それらの求心力がワイヤレスマイクの高度化、運用連絡のシステム化を招き現在の「特ラ連」の存在につながるのです。特ラ連はワイヤレスマイクの運用の研究の結果生まれたものです。決して全ては特ラ連の為にあるものではありません。
特ラ連は会員皆様の結束の上に成り立っているのだと云うことを確認しつつ、新年のご挨拶に替えます。今年もよろしくお願いいたします。