株式会社 アクト・ディヴァイス
営業部 音響部 執行役員 熊谷義浩
このたびは功績賞をいただきまして大変身に余る光栄と恐縮しています。
弊社は照明・音響・舞台美術・それとホールの業務委託など舞台に関わる業務を手広くやってきていますが、数年前に弊社社長から「地方で活動する舞台会社の理念とは?」という宿題を各部管理職へ出されており、私も頭を悩ませています。
音響会社の「理念」とは? 技術畑でやってきた自分にとってわけがわかりません。また、社長の基本理念は「よりよい人間を育てる」ことであると言われ、ますます何のことやら。「それって音響に関係あるの?」と思うことも。また一人の社会人として世間のニュースを見ると殺伐とした事件も多く発生し、「より良い人間ってどうしたら出来るのか?」と思うこともしばしばです。
でも自分に子どもが出来て人の親となり、最近になって思っていることは、子育ては勉強を教えることだけが重要ではなく、いろいろな人間と関わったり、文化や芸術に親しむことが情操教育になり「より良い人間を育てる」ことになっているのではないか? それは子どもの教育だけではなく、社会教育も含めて、「より良い人間を育てる」には「地域の文化や芸術を活性化すること」も必要ではないか? そして「我々は裏方として地域の文化・芸術の発展に寄与することが最大の存在意義ではないか?」と思うようになりました。大げさに言えば「地域の文化芸術を発展させることは地域の安全や健全な人間形成につながる」とも言えるのではないでしょうか。
中央から発信の文化や芸術は当然ながら日本のトップレベルにあります。しかし地方からでも全国や世界に発信できる文化や芸術があり、その地域の文化・芸術の発展を支える裏方として活動することが、弊社の理念であり存在意義であり使命だと思います。
今後も、「理念」や「存在意義」を考えながら、自分自身や音響会社の社会における役割を果たして生きたいと思っています。