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 6月2日から4日まで、東京ビッグサイトにおいて、『映画テレビ技術・Digital Production2004』(主催:社団法人 日本映画テレビ技術協会 社団法人 日本能率協会)が開催された。特ラ連は今年も情報通信月間参加行事として、ブース出展した。メインテーマは「特定ラジオマイク・デジタル化の幕開け」。 前年、ワイヤレスマイクのデジタル化について、試作回路を展示、試聴していただいたが、今回は、デジタル化のメリットのひとつである双方向通信についてのデモを行なった。具体的には、受信機側から送信機側に電波を飛ばすことにより、送受信の距離に応じて送信電力を自動的に可変することで、無駄なく安定した送受信を確保することができ、混信に強い運用ができるようにしたもので、今後はそれをいっそう発展させることで電波の有効利用につなげたい考えだ。デモに参加していただいた方からは貴重なご意見をいただいたが、ディレイの問題を指摘される方がいて、参考になった。
 また、例年通りパネル展示により、A型ワイヤレスマイクは免許を取得し、かつルールを守った運用をすること、また不法電波防止の啓発ポスターで不法電波は犯罪であることを訴えた。
 展示会で目についたのは、 数箇所で3D立体映像をデモしていたこと。そのなかに、ハイビジョン立体映像を見せていたところがあったが、奥行き感が現実に近く自然に感じられるところが、他に比べて際立っており人気を博していた。
 音関連でいえば、ポータブルなデジタルオーディオレコーダーを輸入販売しているところがあった。最大8トラックで録音できるこの機械は、大容量のハードディスクに直接記録できることが特徴で、パソコンと接続することによりハードディスクの内容をパソコン上で見ることが出来る。また、堅牢性、防水性、防塵性に優れているということで、その外観から、私などは思わずNAGRAを思い出してしまった。
 今回、特ラ連が所属しているPAS(日本プロフェッショナルオーディオ協議会)は、特別協力という形で参加。6月3日をPAS DAYと称しワークショップを主催した。基調講演では「プロはアマに勝てるのか」というタイトルで映画作家 大林 宣彦氏にご講演いただいた。最近の低価格で高性能なデジタル機器全盛の時代、プロとアマの線引きがはっきりしなくなってきたことに対し、あらためて、プロとしての心構えについて熱く語っていただき、100名ほどの聴衆は、熱心に耳を傾けていた。
 第2部は、「プロオーディオの制作環境を考える」と題してPASに所属されている各団体の中から、藤田赤目、井上秀司、林 毅史、井口 進の各氏がパネラーになり、制作現場からみた手法の変化について、最新デジタル機器の扱い方を中心にディスカッションした。舞台、スタジオなど置かれている環境が違う各氏も、これら機器のメリット、デメリットについてほぼ共通の認識を持っており、それをふまえながらうまく使いこなしているようだ。
 会期中の入場者数は19,611名(主催者発表)。前回より若干減少した。
(青木)   
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