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 今回は4名の方が受賞されました。功績賞も回を重ね3回目です。運用功績賞、技術功績賞、また特別功績賞の枠もありますので、ふるってご応募ください。特に地方で頑張っていらっしゃる方々、マイクの本数だけが問題ではありません。地方色豊かな内容のものなど歓迎いたします。

 第審査は4月9日特ラ連事務局にて行いました。
 審査委員 八幡理事長、田中技術委員長、金子審査委員長、半田理事、渡邉理事、
      根本専務理事、大野事務局長
      渡邉理事は仕事の都合上、不在投票を文書で提出

(1) 運用功績賞 スーパーライブ「モーニング娘。と仲間たち」
 受賞者 株式会社 NHKテクニカルサービス 制作技術事業部
     番組技術センター 音声 青山 真之殿
 受賞理由 多数のワイヤレスマイクの本線・SR系それぞれに受信機を設置してレベルや音質低下を防ぎ、スーパーライブ「モーニング娘。と仲間たち」を高品質の番組に仕上げた功績に対して表彰
 
(2) 運用功績賞 「東京ディズニーリゾートにおける運用」
 受賞者 株式会社 オリエンタルランド 技術本部 アトラクション技術部
                       吉田 守男殿
 受賞理由 東東京ディズニーリゾート内のアトラクションやイベントで使われる多数のワイヤレスマイクを詳細なプログラムにより運用し、来場者に楽しさを提供している功績に対して表彰
(3) 技術功績賞 「仮設スタジオにおける電波遮蔽対策」
 受賞者 株式会社 NHKアート一級建築事務所  所長 菅野 起徳殿
 受賞理由 仮設スタジオの建設にあたり天井・壁面・床に簡便なメッシュと銅箔を使用してほぼ完全な電波遮蔽を実現。安価で効果のある施工方法を考案した功績に対して表彰
(3) 技術功績賞 「音声送り返しシステム“キャッチミー”」
 受賞者 有限会社 アプローズシステム 代表取締役社長 飯塚 貞三殿
 受賞理由 C型ワイヤレスマイクを活用した連続送信可能な音声送り返しシステムを開発製作。高音質と利便さでスタジオ、中継等の現場で多用されている功績に対して表彰
<金子審査委員長の報告>
まず、NHKテクニカルサービスの青山さん。収録は2002年7月代々木第一体育館で行い、DVD制作が主な目的です。勿論BSでも放送されました。収録とSRは贅沢に別々の受信機を使い、アタマ分けされているわけです。こういう仕事をやっておられる方は理屈は分かっていても、なんとなくやってなかった。要するにコロンブスの卵的発想ではないかと思います。チャレンジする技術力に高い評価をして運用功績賞ということにさせていただきました。
東京ディズニーリゾートの吉田さんのところは、A型が100本を超え、さらにB型も入り、200本くらいを統括しなければならない。広大な地所内でライブショーが数ヶ所同時進行、ホテルが三ヶ所、結婚式はあり、パレードありという日常、膨大なマイクロフォンを運用。沢山のお客さんを喜ばせる運用技術を高く評価しました
NHKアートのテント2000。仮設ですからもったいない。3年をめどにお作りになった。2000年から運用され使命は終わったんですが、この仮設を完璧なものに作り上げた技術力。
費用がまた安い。天井、壁には0.5ミリの銅箔、床には銅不織布(メッシュ)を敷き詰め、鉄製ドアは壁と連続という電磁対策を施しております。この施工をやられたNHKアートの技術を評価させていただきました。
アプローズシステムさんは、レポーターが耳につけているイヤホーンに音を送っている装置を開発されました。これは「キャッチミー」という製品ですが、音質を優先した1ミリワットのシステムを開発されたわけです。この業界ではかくれたベストセラーと云われているんですが、今までに送信システム470台、受信機が2002台という、大量な売上です。1ミリワットですがされど1ミリワットということです。おめでとうございます。
 なお、来年も皆さん、ふるってご応募いただき、功績賞を盛り上げていただきたいと思います。
<功績賞受賞者のご挨拶>
(1) NHKテクニカルサービス 青山真之さん
 日頃からA帯10〜15波ほど使うレギュラー番組を何本かもっており、いかにワイヤレスマイクを安定させて使うか、頑張っております。
 今日受賞させていただきました「モーニング娘。・…・」はSRの人たちとも相談しまして30波全て空中分岐でやってみようということになりました。それぞれ受信機が違うものですから、SRの方は受かっているのにこちらは受かっていない、という状況になるとまずいということで、かなり緊張して運用しました。SRの方は、MSIジャパンさん、機材の方ではゼネラル通商さんに大変お世話になりました。この2社のご協力があったことで成功したと思っております。
(2) アプローズシステム 飯塚貞三さん
 キャッチミーと申しましても劇場関係の方にはなじみが薄いと思いますが、放送の現場でラジオ、テレビの中継をやっておりますと、必ず中継車と本線のディレーが生じます。それの再送信を現場まで持ってくるということは大変なことで、単純に特定小電力で出来ないとか、という発案がありまして、運用調整の中でC型のマイクを使って折り返したシステムを作成した、ということです。今、放送現場でこれがなくなりますとえらいことになりまして、毎日の朝の番組の映像中継などはほとんどこれでやっております。そのようなシステムです。

(3) NHKアート  菅野起徳さん
 先ほど、私どものテント2000に賞をいただきまして有難うございました。
 この公開スタジオは3年目を迎える仮設とうことで設計したのですが、当初から電波の問題について設計の要望があり、私どもも考えまして予算のないところで、どうするかと智恵をしぼって出した提案なんですが、それが受け入れられ、このような場で皆さんにお会いできたことを嬉しく思っております。お話をうかがってみてマイクの問題で皆さん悩んでいらっしゃる雑音とか、入ってはならない音が入ったり、それに対する方策をとっているということで、今新しいスタジオの設計においても、いかに安く、効率のある建物を作るか計画中の物件がありますので、出来上がったら皆さんにご披露できるかと思っております。仮設の建物ですが、こういう電波についての面でわれわれが認められたのかな、と思っております。
(4) オリエンタルランド 吉田守男さん
 当社は東京ディズニーリゾートを運営している会社で、リゾート内には非常に多くの無線機器が使われています。その中でもラジオマイクはエンターティメントのショー、その他もろもろに活用されており、当社にとってはなくてはならないシステムの一部です。
 いろいろなショーを運営していく上で、技術的な問題と運用面での問題等さまざまな問題が発生しますが、中でも各種イベントの初日には、各メディアの方が多く取材にまいります。特に東京ディズニーシーのオープンの時は多くの取材の方々がお見えになり、苦労したことを覚えております。特ラ連にもご協力をお願いして切り抜けることができました。有難うございました。

まとめ 大野