Inter BEE 2012(第48回 国際放送機器展)
会期平成24年 11月14日(水)〜16日(金)
会場幕張メッセ 展示ホール 4〜8/国際会議場
入場無料
主催JEITA 一般社団法人 電信情報技術産業協会
協力IPDCフォーラム、衛星放送協会、映文連、
特定ラジオマイク利用者連盟、他
運営一般社団法人 日本エレクトロニクスショー協会
出展者(社)871者(社)(海外35カ国491社)
入場者数31,857人 主催者発表
特ラ連 A型ワイヤレスマイク使用連絡社数 14社
本数  2帯×14本、4帯×10本、2/4×27本、
  デジタル×8本
近隣使用連絡 1社 2帯×2本、4帯×4本  計 65本
チャンネルプラン  事務局  石川

 この機器展は東京オリンピックの翌年、1965年に第1回が開催された。お気づきのようにオリンピックとともに放送技術は進化してきた。世界に向けて生中継されたのも64年の東京オリンピックが最初である。今回のロンドン・オリンピックでは、地域は限定されたが、NHKが開発中の8K映像、スーパーハイビジョン(SHV)が披露され感動を与えた。
 このSHVをITU(国際電気通信連合)はテレビ国際規格に認定した。
そのむかし、IBCの機器展の会場で、ある外国の放送記者がNHKのアナログのハイビジョン映像を見て、こんなにまでしなくても今のままでも十分じゃないの、とつぶやいたという記事を読んだことがある。昔話である。
 今回の機器展は、4Kと3Dが主役のようであった。この2種は、映画では4k、スポーツは3Dと、方向は大体このようである。
 今まではInter BEE含めて3大放送機器展だったが、現在は4大放送機器展である。
 それは中国の北京で開かれるBIRTVが加わったからである。中国のマーケットは世界最大級であり、8月の機器展には日本から20社ほどの参加があった(電波新聞)。
 今回は隣国の、中国や韓国からのお客さんが多かった。学生の団体もいた。
 この機器展は以前には、出展社のガイドブックがあったように記憶しているが、ここ数年それを見なくなったのは残念である。

 パナソニックの1.2GHz、デジタルワイヤレスマイクを試聴した。
 ワイヤレスマイクに関心ある人たちが多数あつまり、肝心の機器の説明や試聴などほとんど不可能だったが、なんとか聞くことが出来た。
 左右のヘッドフォンで自分の声を(もちろん会場のノイズでもOK)デジタルとアナログで同時に聞けるようになっており、音質等を確認できるようにセットされていた。まず判別は不可能であった。
 
 エス・シー・アライアンス・メディアエンターティメント社は、Neo:Harmo(ネオハーモ)という、フリーユースのオリジナル音楽レーベルを立ち上げた。経験豊富なベテラン選曲家集団の監修、制作によるもの。映像作品に限らず音楽でお悩みの方、一度相談されてはどうですか。5.1サラウンド用も可能とのこと。
 
 タムラ製作所は、デジタルミキシングコンソールのフラッグシップモデルNT880の弟分ともいえるNT660を展示した。これはフェーダー間隔はNT880と同等であり、また音処理システムも同等のものを採用している。また免許不要のD型送り返しワイヤレスシステムは来年発売予定とのこと。FM70MHz、出力は10mW。
 
 ゼンハイザージャパンからノイマンが発売されるようになった。ノイマンのマイクというとエレクトリ、とすぐ思い浮かべるくらい両社の関係は長かった。その関係30年とのこと。その昔は河村電気であったが。日本に限らず世界の音楽文化の発展には欠かすことの出来ないマイクロフォンである。かつての名マイク、M49の発展型、M149Tubeは誇らしげな顔をしていた。M47はどうなったのだろう。いいマイクだったが。

 会員のドリームが面白い製品を展示していた。それは、音を整える、整音(ととのね)という製品である。電話ボックスより一回り大きいものと思っていただきたい。サイズはS、M、Lの3種があり、21ミリの壁面材が音を吸収して、弱い遅延の反射音を出す、それによってライブ感を持たせる方法である。Mサイズは高さ222センチ、横160センチ弱、奥行き180センチ強のボックスである。このサイズの狭さを感じさせない音であった。ボックス内には照明設備もついている。窓は真空であり、換気ファンは当然付いている。遮音効果は高かった。
 これはいろいろな使用方法がありそうである。アナブース、ヴォーカル、ギターブースとしても使用可能であろう。

取材 大野