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  平成20年度情報通信月間参加行事 セミナー報告 
 『電波についての最新の動向と今後について』

 去る6月30日に、九段の千代田区民ホールにおいて当連盟会員を主な対象にセミナーを開催した。情報通信月間推進協議会による情報通信月間参加行事として、総務省 関東総合通信局と特ラ連の共催という形で行なった。まず、八幡理事長、関東総合通信局 陸上第三課 菊池 仁志課長の挨拶後、菊池課長から『無線通信の動向と今後』と題して、講演いただいた。多岐にわたる内容のため、以下概要を報告する。
 関東総合通信局陸上
 第3課 菊池仁志課長

 『携帯電話および無線アクセスシステムの普及により、新たな電波利用のニーズが拡大した。国際的には第4世代移動通信システム(IMT-Advanced)として、国連の専門機関である国際電気通信連合で、標準化が進められており、通信速度について高速移動時および低速移動時それぞれ、100Mbps、1Gbpsの実現を目標にしている。無線LANについても、広域化、高速化をめざす超高速無線LANの実現に向けて制度化を進めている。また、ITS(高度道路交通システム)のひとつとして、すでにETC、VICSなどが実用化されているが、ユビキタス社会に対応すべく利用の高度化をめざしさらに研究開発を続けている。そのほか、物流管理における電子タグ利活用の制度化や、簡易無線局等のデジタル化、狭帯域化を図ることにより、様々なニーズに対応できるよう進めている。
今後、電波をより有効に利用するためには、稠密に利用されている低い周波数帯だけでなく、利用技術が未成熟な高い周波数の有効利用に関する新技術の構築や、周波数のスリム化(効率化)、共用化(共同利用)など、研究開発の充実・強化が不可欠となっている。』
 次に特ラ連 宮前真二技術委員長により『B型デジタルマイクの企画と製品化そしてA型ラジオマイクの今後』と題して講演。内容については、「第1回東北地域FPUラジオマイク運用連絡懇談会」(レポート102号参照)とほぼ同じですが、デジタル化を視野にいれた、A型ラジオマイクの今後についての検討事項として、以下の内容が追加された。周波数幅(770MHz〜806MHzとする)、それに伴う同一場所での50ch以上使用の可能性、伝送音声帯域20kHz、送信電力(現行10mWよりも高出力にする)、現行アナログ方式の存続などの内容が追加された。
 以上のとおり情報通信月間行事としてのセミナーを終了し、このあと、関東総合通信局監視課のご好意により希望者を対象に電波監視施設見学を実施した。DEURAS(デューラス)という無免許の無線局を探知することを主目的とした電波監視システムにより、車等から発せられた不法電波の発信場所を特定するまでの実際や、監視室における監視モニターの方法を説明いただいた。ビデオを使うなど解かりやすい説明で好評だった。なお、施設見学は希望者が多くお断りした方も多かったことをこの場を借りてお詫びいたしたい。また、千代田区のご好意により区民ホールを無償で使わせていただいたこと感謝いたしたい。以上、セミナー参加者は43名、施設見学参加者は25名であった。
(青木)
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